好きな御菓子

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楽屋に置いてある御菓子。 ご自由に‥‥ってやつ 山になった中から、一種類選んで食べてる。 「んっ?たかちゃんも食べる。」 ‥呑気なやっちゃ。人の気も知らんで。 「美味しいで。」 「いらん!」 少し前、スタッフの女の子が御菓子を追加しにきた。 何気無くいった言葉‥‥ 「確か、藤原さんが好きでしたよね。」 心を見透かされたようでドキッとして、ゲームから目をあげて、スタッフの顔を見ると薄紫の包み。 ‥あぁ、おかしな。 「せやなぁ、ゆうとったな。」 興味なさそに答えた。 その御菓子を今、隣で食べてる。 別にええやン‥あんなけの事や。 なんもスタッフの女の子が藤原の事が好きな訳やない‥ 誰だって知ってる事や。 ‥けどな、目の前で嬉しそに食べられると、 腹立つねん!! 「どしたン?機嫌悪いやん。」 「‥‥‥」 「たかちゃん、アーン‥」 「いらん!!」 「え"ー、俺これ一番好きやのに。」 笑いながら食べている。 「フーン、一番好きなんや‥‥」 「なんかゆうた?」 「いや、なんもないで。」 ‥けど、腹立つねん!!! モヤモヤッと、腹立つねん!! 横目で見ると満足気にコーヒーを飲んでいる。 「あ"ぁ"ー!もう、」 「なっ、なんやねん。びっくりするやん‥」 知らん顔でゲームを始める。 コンコン‥失礼します。 「おはようございます。」 後輩が挨拶にくる。 「‥ン。‥はょ‥」いつも通り無愛想なアイツ。 「おはよ、‥そや、ちょっと来いや」 手招きして耳元で、 「コンビニいって、あるだけアノ御菓子を買い占めてこい。ええな。」 「‥?」 「ちゃっちゃと行かんか!」 「はい!」 バタバタとお金を手渡され駆け出す。
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