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珍しく仕事がキャンセルになった午後、《たかちゃん》となっている井本が俺をたたき起こす。
「‥何で?たかちゃんが俺ん家におるン?」
「あんなぁ、いのもとがきたかってん。それでな、かじゅくんねてたからそばでいっしょに、ねててん。‥かじゅくんがぼくよんでん。」
ニッコリ笑って説明する。
‥また、寝言か‥けど、合鍵使うってどうよ。
また、井本溜め込んでンか?
「なぁ、かじゅくん、かしわもちは?」
「たかちゃん、食べたいンか?」
「おん!」
ベッドから起き上がりたかちゃんの頭を撫でて、
「買い物せなアカンな。」
「ちゅれてって。なっ、いっしょにちゅれてってや」
仔犬のようにじゃれつき服を引っ張る。
「るしゅばんはいややぁー!」
首を横にブンブン振って抱き付いてくる。
‥お願い事には弱いねん。前回の事もあるし連れていってあげたいけど、
「‥かじゅくん?おこってりゅの‥‥ぼくおりゅしゅばんしてりゅほうがええの‥‥。それやったら‥‥かまへんょ‥‥」
手を離し、トテトテ歩いてリビングに行こうとする。
‥アカンな、たかちゃんに逆らわれへん。後ろ姿が可愛い過ぎンねん。
「たかちゃん、着替えてから一緒に行こか。‥待っててくれるか?」
ボソッと小さい声でゆうと振り返り、満面の笑顔で
「おん!まってゆ。‥‥かじゅくんのきがえおてちゅだいしよか?」
「ン?えっ!‥ええよ。///」
「かじゅくん、かおあかいよ。かじぇひきさんなん?ねちゅあんの?ちんどいの?」
真ん前にきておでこに手を当てる。
心配そに見つめる目が俺を覗きこむ。
堪らずに、ギュッと抱き締めて
「ちゃうねん。かずくん照れてしもてん。‥たかちゃんが可愛い過ぎるから。」
「たかちゃん、かわいないで。かわいいのはかじゅくんやで。」
そう言って、ほっぺにチュッとキスをしてくる。
‥///、男前なたかちゃん。
なんか、口説かれてる気分やわ‥
しかも、本人自覚無しやから質が悪いし。
フワッと思わず笑ってしまった。
「なっ、かじゅくんのわりゃってるかお‥むっちゃかわいいで。」
‥やから、サラッと男前発言はアカンて‥
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