春雷

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雷が遠くに聞こえだした頃、 「ソロソロ戻らなアカンな‥‥」 立ち上がると、椅子に引き戻された。 「‥用が合ったら携帯なるやろ。もうちょっと‥‥こうしてよや。」 今度はキツく、しっかりと指を絡めて繋ぐ。 「‥なぁ、こんなんもええな。」 「せやな、雷も雨も悪ないな‥」 春雷‥‥春先に雹を伴い春の訪れを告げる。 ‥俺にはお前そのものや、お前の一言であったかくなる。 ‥お前の言葉が染み込んでいく。  ええもんやな‥‥ 終───。
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