ICレコーダー

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ちょっ、ちょっとまってや!たかちゃんもしかして、‥‥ ‥‥自分で、慰めてる?! 嘘やンッ‥‥‥いつなん? もしかして、今も?‥ でも、どう聞いても喘ぎ声やんな‥‥ 俺の耳には、絶え間なく聴こえてくる鼻にかかった艶っぽい声。 ‥アッ、‥‥ヤッンッ、‥なぁ、‥聴こえッ‥ンッ、て‥る。 ハァンッ‥‥お‥かしなやつッ‥て、 引いィ‥てる?‥‥ いやいや、引いてません。たかちゃんの可愛い声が‥ンフフッ‥ ‥ややぁ、アッンッ‥ふっ、藤原ァ‥‥ごめん、ッ‥ンッお前の、ッ‥ハァンッ‥事だ‥け、考えて‥たら‥‥が‥まんっ‥‥でけへん‥‥ねん。。‥ なぁ、‥ンッ、ンんっ。‥ギュッ、ッて、‥‥なぁ‥声、訊きたぁッ‥いねん‥‥ 待っててや!ギュッて一杯したるから‥ 貴史、ッて呼んで俺がしたるから‥‥ 俺は、心の中で焦った。 早ょ、逢いに行かな。‥ わかってンねん。今、井本がこんな状態やないこと位は理解してる、‥‥けどな、‥ 気が付けば、空港からタクシーを飛ばして井本の家を目指していた。 手にはICレコーダーを握り締めて、‥ 耳元では、何度も繰り返し切ない声が俺の名前を呼んでいる。 その度に、思わず名前を囁きそうになる。 落ち着くために、録音されている時間を確認して頭を整理する。 行きより帰りの分の方が明らかに長い。きっと酔ってしまって気が付いていないのだろう。 井本は、多分俺に渡してから気付きメールしてきたのだろう。 クスクス、よっぽど慌ててたんやな。 こんなんなってまで、俺の飛行機嫌いを心配してからに‥
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