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たかのもと君───
しまった‥‥あのとき、俺最後の方おかしかったんや。
消したと思うけど聴いてたらどないしょ。
「あ゙ぁ゙ーー!!最悪やんか。‥」
部屋の中をウロウロと動物園の熊のように歩き回る。
アイツからメール無いから、多分帰りの分は聴いてないよな。
ピンポーン──
インターフォンの音がして来客を告げる。
見ると、藤原が立っている。
ガチャッ‥
「たかちゃん、ただいま。」嬉しげな藤原が俺を抱き締めた。
「‥お帰り。」無愛想に呟く。
「あれええなぁ‥ンフフッ‥飛行機全然大丈夫やったで。」俺のあたまの匂いを嗅ぎながらゆう。
「‥そりゃよかった。‥返してや。‥」リビングに招き入れ片手を出す。
「まだ、もうちょい貸しといてや。‥ンフフッ‥‥」
「キッショイ!‥‥笑うな!」
どこまで聴いたのか分からずどういう態度をとったらええのか‥‥
リビングに二人座って、俺を抱き締める。‥
「たかちゃんの声、可愛い過ぎや。‥あんなン、聴かされたら俺、‥‥」
「‥どこまで聴いたん?」
藤原の胸に顔をうずめたまま尋ねる。
「‥‥全部‥‥‥」
「帰りの分は聞くな!ッてゆうたやんか‥‥」
俺の顔を上に向けさせた。
フワッて微笑みかけられて、恥ずかしくなる。
「忘れてや。‥あんなン、俺や無いから‥‥」
「‥ぉん、‥けどな、嬉しかったで。‥‥俺の為に何時間も話し掛けてくれて。」
髪を梳きながらおでこにキスを落とす。
俺は、目を細めて感触を確かめる。
「‥俺の事だけを何時間も想ってくれて、ありがと。‥‥寂しい想いさせてごめんな。」
そう言って、
「‥一人で慰めたらアカンょ‥‥俺がしたるから‥‥」
「///!?」
抱き抱えられて寝室へ連れて行かれた。
思いっきり暴れるが、力強く抱き締められて‥‥‥耳元で囁かれてしまう。
「クスッ、‥帰りの分を聞かしたろか?」
「‥ゆうなや‥‥」
「なら、今日は大人しくしィや。‥‥」
俺は、諦めてアイツの胸に顔をうずめた。‥
終───
この後、暫し後書き。
うざっ!と感じる方は飛ばしてください。
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