瞬間接着剤

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散々携帯を弄った後、ヨッシャ、と呟きフワッと笑う。 「んッ、丁度休みで良かったやんな。2・3日でとれるみたいや。‥お湯に浸けて揉んだりすんのもええみたいやな。」 携帯を閉じて、心配せんでええから‥と、耳元で囁き、もう一度音をたててキスをする。 「もうしたらアカンで‥‥」 「‥ぉん‥」 ‥あの、兄さん達こんな状況下で自分達の世界に入らんとってください。‥ 呆然と立ち尽くす後輩達。 「ほなっ、帰ろか。‥荷物は?」 荷物を持って、 「あっ、せや。誰か運転してや。」 「‥俺がします。‥ホンマにすいません。‥」 声のする方を見ると井本を怒らした張本人のようだ。 繋がった手に力が入り顔を見るとまだ、井本は腹をたてているようだ。 「ン?怒ったらアカンで‥‥」そう言って笑いかけ、前髪を梳き頬を撫でる。 上目遣いで拗ねるように口を尖らして文句をゆう。 「何で庇うねん‥‥悪いのはアイツやん!」 「クスッ、わかってるから。なっ‥‥」 宥めるように、オデコに頬に鼻に唇に、次々とキスを落としていく。 それを猫のように目を細めて黙って受け入れている。 後輩の目に映る光景‥‥ ‥あの、井本さんが‥‥ なんや、可愛いかも‥‥ 大人しくなった井本を連れて、 「ほなっ、お疲れさん。‥せやっ、わかってると思うけど口外したらアカンで‥」 にっこり笑って、側にあった不要のボードを正拳一発で叩き割った。‥ ‥笑てはるけど、メッチャキレてはりますやん。 ‥キスしてたんは、井本さんを宥めんや無くて、自分を抑える為ですやん‥ ‥ホンマに恐いんは、藤原さんですやん‥‥ 凍り付いた楽屋をでた。
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