瞬間接着剤

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兄さん達の雰囲気が柔らかくなっていたので、安心して帰ろうとすると、 「あっ‥ちょ、待ちや。これ少ないけどタクシー代や‥‥気ィ付けて帰るんやで‥‥」 藤原さんの手に諭吉が一人‥ 手を出しそびれていると、 「なっ、‥ッんやねん!足らんのかぁー!」 と、井本さんに一喝されてしまう。 「いっ、いえそんな。今回は俺のせいで兄さん達に迷惑を‥」言いかけると、 「ちゃう、‥俺も大人気なかってん。‥‥それに、‥それは藤原の気持ちやから邪険にしたらアカン。‥‥」 顔を見ると紅い。‥まさか、いつも照れ隠しで怒鳴ってはるんですか? 口をポカーンと開けて井本さんの顔を見てると、スッと井本さんの身体が藤原さんに向きかわる。 藤原さんが片手で井本さんを抱き締めて、頭を撫でている。 「‥フッ、可愛いやろ?‥‥けど、俺のもんやからアカンで。‥」 「‥ヤッ‥‥ンッ。」 俺に見せつけるようにキスしはった‥‥ ‥俺には刺激が強すぎです‥‥ てな感じの一悶着があって今は帰りのタクシー‥‥ 参りました。‥‥ 兄さん達の足元にもおよびません。 大体、手が引っ付いた事自体問題にしてませんやん‥‥ かえって愉しんではるし‥‥ しかし、井本さん。可愛いなぁ、藤原さんと二人やといつもあんな感じなんやろか‥‥ けど、藤原さんの眼が怖いわ。俺が井本さん見てるだけで殺気だってたし‥‥‥ アカン、アカン。詮索したら命がいくつあっても足らんわ。 早ょ帰って寝よ。‥‥
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