一人暮らし‥‥2

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真っ暗な部屋の中で俺の嫌な呼吸音が響く。 ‥やな音がぁ、する、聞きたない‥ 眉間に皺がより涙が滲む。 頬に風がすり抜けたようにフワッと何かが掠める。 「大丈夫やから。俺が傍に居るから、ゆっくり落ち着きぃや。‥‥」 耳元で優しい声がして抱き締める力が強くなる。 「ンッ‥‥」 「ちょっとだけ、寝たらええから‥‥こうしててやるから‥‥」 安心して井本の手を握り返し、うつらうつらし始めた。 次に目が覚めると、ベッドの上で抱き抱えるようにされて井本の腕の中にいた。 「ン‥‥目ェ覚めたんか?」 俺を抱き抱えたまま、髪を梳く。 「‥何で?‥」 「何が?‥」 「ここに居るん‥」 「鍵開いてたで‥」 フワッと笑い俺を抱き締める力が強くなる。 「ちゃう‥何で来たん?」 「ゆうたやん。‥また、来るでッて、‥仕事終わったから様子見に来てン。」 まだボォッとした頭で井本の顔を見る。 クスクス、 「兄ちゃん喘息やったんや。‥ゆうたら俺仕事サボったのに‥‥」 「‥」 「だいぶ治まったか?‥‥」 頬に手を置き俺を見る。 「ぉん‥‥ありがと。」 「今夜は一緒におろか?兄ちゃん心細いやろ?‥俺、明日休みやし。」 今朝会ったばかりの他人なのに何故か、そう言って貰えて嬉しかった。‥ 「‥悪いから、ええょ‥‥」 「ン?そうかぁ、」 そう言って俺から離れる。 「ちゃんと寝てんやで。」 ゆっくりと頭を撫でて、頬にキスをする。 「‥///‥」 何もゆえずにいると、そのまま部屋を出ていった。 玄関で音がする。 ドァが閉まる。 また、一人になった。 ボンヤリとしてて‥頭が真っ白になって‥天井を見つめた。
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