心の染み

5/7
前へ
/384ページ
次へ
‥? なんやねん。 「‥今回の相手は面食いか?」 「ちゃうと思う‥はっきりと、好みは知らんへん。」 「何でや?付き合ってたんやろ。」 「‥ずっと昔の話やから。」 ‥何や、要領がえんなぁ。話が見えんとゆうか‥ 愚痴か? 相談か? 「‥俺、‥の相手は‥な。‥」 言いかけてやめる。 「続きゆえや。」 「ええわ。‥‥なぁ‥井本。お前のタイプッて、どんなン?」 「‥俺、か‥‥」 ‥ハハハ、目の前に居る、なんてゆえんや。 「どしたん?」 「ぃや、なんもない。」 ‥でも、今日は様子が変や。 探るような‥試すような‥ 一体なんやねん。 「じゃぁさ、どうしたら俺が好きなん気ィついてもらえるかな。‥」 チラッと顔をみてから、 「ストレートにゆうたらええやん‥ まっ、お前には無理な話やろうけどな。」 前髪を弄りながら顔を紅くして 「ぅん‥無理やわ。」 「けど、それがお前やからしゃぁないやん。 ‥そのまんまのお前を好きになってくれる子を探したら?‥‥」 ‥卑怯やな。遠回しに、諦めろッて、ゆうてンのとおんなじや‥‥ いきなり声を荒げて、 「いやや!諦めへん。‥‥」 真っ直ぐ俺を見つめる。 「なぁ‥俺のええとこッて、何?」 ‥それを俺に聞くか? 双眸が歪むが、心の動揺を表に出さず、 「せやな‥自分の事より好きな子を優先したり、大事にするよな。 好きやって、態度でも言葉でも示してくれるし‥‥ 大概の子は嬉しいンとちゃうか‥‥ お前と一緒やと幸せになれるやろうから‥‥」 なるべく目を合わさないように、形のいい指をみて話す。 「ただな、その事にどんなけの子がきづくかや。‥ お前に、何もかも受け入れて包み込んでくれる愛情があることに‥‥」 「‥そんな風に、俺の事‥‥」 「ちゃうちゃう、客観的にみてや‥‥」 片手をヒラヒラさせて否定する。 ‥アカン、喋りすぎや‥かなり飲んでしもたな。
/384ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加