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「‥あ、‥アホ!死ね!!」
気が付いたら叫んでた。
「井本‥‥」
「どんなけ‥欲張りやねん。
俺に迷惑とか、心配掛けさせて‥‥その上まだ好きやなんて。‥
俺がどんなけ泣いたと、思てんねん。
俺がどんなけ恨んだと、思てんねん。
俺が‥‥俺が‥‥‥
どんなけ好きやと思てんねん。‥」
情けない事にボロボロ泣いた。
もう涙なんか無くなったと、思てたのに。
「ごめんな‥井本。勝手に一人で決めてお前を手離して、またお前を手に入れたいやなんて‥‥
でも、ホンマに好きやねん。‥
二人きりの時間が幸せやねん。‥
俺のもんになってくれる?」
格好悪い滑稽な姿のままの、飾らない藤原が‥‥
‥‥‥好きやねん。ッて、囁く。
いつの間にか抱き締められていて、ずっと触れたかった藤原が俺に囁く。
「もう、絶対に離さへん。‥」
「次は‥‥無いから‥‥」
クシャクシャの笑顔が俺に近づく。
黙って目を閉じる事しか出来なかった。
柔らかい重ねられた唇‥‥ずっと触れたかった。
心の染みが、ゆっくりと染まっていくのを感じた‥‥‥
‥染みやなかったんや。
あれは‥‥
藤原への消されへん想い
俺は、藤原に染められたんや‥‥
終──────
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