71人が本棚に入れています
本棚に追加
二人でサンドイッチを半分こしながら、窓の外を眺める。
車の行き交う舗道‥‥
足早に歩く人達‥‥
暗くなり始め街灯に明かりがつく‥‥
賑やかになる夜の町並み‥‥
雨が又、降り始めた。
それを眩しいそに見つめている。
窓の外からテーブルに視線を落とすと、‥‥
眼鏡が、ポツン‥‥
「貴ちゃん、今日は眼鏡なん?」
「ン?」
眼鏡を手に取りかけてみる。
「ウッワァ~、ムッチャ度がきっつぅ~、何やボヤけて見えるし‥」
アハハー、と大きく笑って
「俺ムッチャ目が悪いもん。」
「そうなんや。眼鏡返すし。なっ、かけてみてや‥今も見えてないんとちゃうんか?」
「ン、まぁけどええねん。‥‥
映画観る字幕用に持ってきただけやし‥」
「普段は?」
「コンタクト‥けど、最近してへん。」
「何で?」
「ええやろ!‥///‥ウッサイんじゃ!」
頭を叩かれた。
ン?何で照れてん‥よぉわからんな。
それより、何でそんなに楽しそに外ばっかし見てんねん。
俺の方をちゃんと見てや‥‥
「貴ちゃん、ソロソロ店でよか。」
「ぁ、そやな‥でも、雨が降って来てんで。」
俺もつられて外を眺める。
「ホンマや‥折角晴れとったのにな。」
二人で傘を差して歩く。
信号待ちの交差点。横顔を窺う様に見ると、にこやかにビニール傘を見つめている。
‥違うな、ビニール越しに街並みを見つめてんや。
「エライご機嫌さんやな。」
「ン?そっかな。」
‥それにしてもホンマ、俺の方を全然見ぃひんやん。
定番のポップコーンとコーラとコーヒーを買って座席に付いたのはええけど‥‥
まぁどちらかと言えば、退屈な映画やったかも‥
でも貴ちゃんの横顔‥しかも眼鏡のオプション付き‥堪能したし、
最初のコメントを投稿しよう!