しかめっ面

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二人でサンドイッチを半分こしながら、窓の外を眺める。 車の行き交う舗道‥‥ 足早に歩く人達‥‥ 暗くなり始め街灯に明かりがつく‥‥ 賑やかになる夜の町並み‥‥ 雨が又、降り始めた。 それを眩しいそに見つめている。 窓の外からテーブルに視線を落とすと、‥‥ 眼鏡が、ポツン‥‥ 「貴ちゃん、今日は眼鏡なん?」 「ン?」 眼鏡を手に取りかけてみる。 「ウッワァ~、ムッチャ度がきっつぅ~、何やボヤけて見えるし‥」 アハハー、と大きく笑って 「俺ムッチャ目が悪いもん。」 「そうなんや。眼鏡返すし。なっ、かけてみてや‥今も見えてないんとちゃうんか?」 「ン、まぁけどええねん。‥‥ 映画観る字幕用に持ってきただけやし‥」 「普段は?」 「コンタクト‥けど、最近してへん。」 「何で?」 「ええやろ!‥///‥ウッサイんじゃ!」 頭を叩かれた。 ン?何で照れてん‥よぉわからんな。 それより、何でそんなに楽しそに外ばっかし見てんねん。 俺の方をちゃんと見てや‥‥ 「貴ちゃん、ソロソロ店でよか。」 「ぁ、そやな‥でも、雨が降って来てんで。」 俺もつられて外を眺める。 「ホンマや‥折角晴れとったのにな。」 二人で傘を差して歩く。 信号待ちの交差点。横顔を窺う様に見ると、にこやかにビニール傘を見つめている。 ‥違うな、ビニール越しに街並みを見つめてんや。 「エライご機嫌さんやな。」 「ン?そっかな。」 ‥それにしてもホンマ、俺の方を全然見ぃひんやん。 定番のポップコーンとコーラとコーヒーを買って座席に付いたのはええけど‥‥ まぁどちらかと言えば、退屈な映画やったかも‥ でも貴ちゃんの横顔‥しかも眼鏡のオプション付き‥堪能したし、
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