七夕

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楽屋で雑誌を見ていた、たかちゃんに 「七夕デートがしたい‥」ッて、ゆうたのに‥ 「何やねん、それは、面倒くさッ! 毎日会ってるからええやろ。」 少し凹みそうになる。 「じゃぁ、晩飯だけでも‥俺ん家に来てや‥」 すがるような想いで頼み込む。 「飯だけか?‥」 ニヤニヤしながら聞き返す。 俺が照れて嫌がるのを知っててこんな風にゆうんや。 「だけでもかまへん‥‥ 一緒に居りたいねん。‥家に来てや‥‥」 恥ずかしくなりながらも、もう一度頼み込む。 「ええー、マジで鬱陶しい。」 雑誌から目をあげずにゆう。 「たかちゃんの好きなの作るから、なぁッて、‥ イベントにはのっかかりたいやんか‥‥」 「ウッサイな!飯ぐらい一人で食えるやろ!!」 簡単に‥ しかも完璧に‥キレられた。 「‥ン、わ、かった。ごめん‥ ほなっ、お疲れさん‥‥」 もうこれ以上何もゆえずに楽屋を後にする。 ‥最近、忙しかったからな、キレられてもしゃぁないねん‥ ただ、ゆっくり、星でも眺めて飲みたかっただけやのに わかってンねん。 最近は 逢いたいのはいっつも俺で、 好きなのも俺‥‥‥ 誘うのも俺で、 一緒に居たいってゆうのも俺‥‥‥ 《会う》と《逢う》は、違うねんて‥‥ 「あぁ‥‥俺の考え方が女々しいンやろか。」 駐車場で、車に乗り込む前に空を見上げてため息と一緒に吐き出す。 東京の空やと、星は見えんな‥ 奈良はもっと、星が見えた‥‥ たかちゃんも、もっと傍に居ってくれた‥ ここ、1ヶ月の間の誘いは全て断られてるし、目も合わしてくれへん。 知らん間に怒らす様な事したンやろか?‥ それとも、‥‥ ホンマに、鬱陶しいンやろか‥‥‥
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