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学生の頃、まだお互いをよく知らない間に友達になってた。 いやちゃうな‥俺がアイツを引っ張り回してたんや。 一緒にサボったり、夜遊びしたり、‥‥ 何をすんのも一緒やった。 ある日、アイツがポツリとゆうた。 「俺の人見知りの殻をぶち壊したんはお前や‥‥ 俺の心のマスターキーを持ってンやな‥」 ッて、何となくゆうた言葉。 その時、俺は こいつは俺にだけ、心を開いてくれてンねんや‥ ッて、嬉しいのと優越感とで照れくさかったのを憶えてる。 それから俺達はいっつも一緒に居った。 それは、友達から相方に関係が変わった、今も。 だから、 お互いにその関係が壊れるのが、怖かった。 態度、言葉、仕草の節々にお互いが惹かれ合ってるのは気付いていた。 隠しきれない位に‥‥ 逢う度に、近くにいる度に、 肩越しに、背中越しに、 お互いの温もりを感じていた‥‥ 幾度となく言い出そうとしたが、その度に‥ 何もかも失ってしまいそうで 言葉に出来なかった。‥ 昔、お前がゆうてたマスターキーは役に立たんようになってた。 そりゃそうや‥‥ アレは、友達用やったもんな‥‥ そんなんで、心を開いてくれるわけがないわな。‥
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