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せめて、藤原に俺の想いが伝わる様にゆっくりと話す。 「真面目過ぎて‥悩み過ぎんねん‥ 俺らには無茶して突っ走る若さなんか無いけど、 お前の無口さには、決して消えへん情熱を秘めてンのを知ってる。 やから、もう‥‥ 誤魔化さんとってや‥ 悲しまんとってや‥ 自分を責めるんは止めてや‥‥‥」 ここまで話して、言葉に詰まる。 「‥‥‥」 俺の想いが届くのかは解らない。 けど‥‥ もう‥後には退けない。 「俺‥‥落ち込む藤原を抱き締めてやりたい。 けど‥抱き締めてしもたら‥‥‥ 俺は藤原をよぉ離さん。 藤原無しでは生きて行かれへん。 ‥‥前に進んで行かれへん。」 ゆっくりと手が俺の頬の涙を拭う。 ボヤけた藤原の顔がハッキリと見えた。 「‥やっぱり、井本は俺の心を簡単に開けて入って来てくれるンや‥‥」 俺は藤原を抱き締めて、 「俺は藤原だけに我が儘でいてる。だから、藤原は俺だけの為に、‥‥一緒に居れ。ええな。」 「クスッ、‥‥どんなけ井本様やねん。」 久し振りに見る、クシャクシャの笑顔で俺を抱き締め返した。 なぁ、藤原‥‥‥ 俺達はきっと、遠くに居ったとしても‥‥ お互い引き寄せあい、呼びあっていると思う。 まだまだ俺達は、話足りてない。 お互いの弱さや、夢‥‥‥ 何があっても、二人やったら怖いもんなんかない。 明日なんか見えンでも、今こうして一緒に居れるンやから。 だから‥‥ 永遠に続くッて、信じてみようや‥‥‥ 終──────
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