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「ン?‥どないしたん?」
急に固まってしまい黙ったまんまの藤原が心配になる。
‥えっ?心配ッて、‥‥どうゆう事やねん。
俺別に藤原の事‥‥‥
俺を見下ろす藤原の瞳が切なげに揺れて、ゆっくりと口が開く。
「‥井本、檸檬‥‥蜂蜜に漬けたの好きなン?‥」
「はぁ~?」
いきなりの関係の無い話についていけず間抜けな顔をしてしまう。
「前に‥お前女の子から差し入れ貰ったやろ?
‥‥嬉しそに笑っとったから‥‥」
「あぁ~、‥‥」
‥コイツ何で知ってんねん。大分前の話やン。
不思議そな顔の俺に、
「あの時の練習試合観ててン。‥井本、格好良かった。」
と、クシャっと笑顔になったので、何故か俺は嬉しかった。
「せやろ、俺、格好ええから。」と、笑い返すと、
「うん、ホンマに格好ええ‥‥」
俺を真っ直ぐに見つめて目を細めて恥ずかしそに頬を紅く染めて微笑む。
‥何か胸の奥がくすぐったいな。
告られてるみたいや‥‥
俺‥もしかしたら藤原の事‥‥
少し考えてみる。
‥確かに気にはなってた。一緒のクラスになってから、ただ単に気にいらん奴ッて、‥‥
何でそう思たんやろか?
せや、コイツがいつも俺を見てたからや。
視線をずっと感じてたからや。
見上げると、俺の好きな藤原の瞳が俺を捕らえていた。
‥見られてたから腹が立ったンやない。
たまに、俺を見てへん‥‥視線を感じへん時に、モヤモヤと腹が立ってたんや‥‥
ッて、‥‥それって‥‥‥‥
まかさ‥‥俺‥‥
藤原を意識してたんか?
俺‥‥藤原に見られてるンが当たり前に感じてたンか?
そう思ってマジマジと藤原の顔をみる。
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