たかちゃんとフジワラ

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やから、俺はお前ん家行ってへんで‥‥とゆう言葉を飲み込んで返事をした。 でも今夜は一緒に居れると思うだけで、少し楽になった気がする。 俺、嫌われたンやろか? 他に付き合ってる奴居んやろか? ッて、そればっかり毎日考えてたから‥‥‥ やってな、‥藤原から違う匂いすんねん。 それに昨夜も電話繋がらへんかったやん‥‥それやのに、俺と一緒やったッて、‥‥ 無意識に藤原を見ると右のナニかの揺らめきが一層大きくなった。 嘲笑うかのように‥‥ ロケも順調に進んで、現地解散してもええッて、事となり俺達は軽く食事をしてから、ビール片手に夕暮れの浜で夕涼みを楽しむ事とした。 幸い明日は、夕方からの仕事のみ。ゆっくりとここで過ごしたとしても差し支えが無い。 小さな港町。1、2ヶ月前にもロケで来た場所。 「なぁ、‥前回、一緒に夕日見て朝日も見れたら幸せやろなって、ゆうててアカンかったやん‥‥その‥貴ちゃん、どっか‥泊まる?」 久しぶりに大きな手に繋がれた俺の右手が少し汗ばむ。 「せやなぁ。‥‥」 俺の返事を聞いて、クシャクシャの笑顔になる。 ビールを飲み干して、夕日を背に歩き始める。 少しゆっくりめに歩く俺に合わせて、手を繋いだまま人の眼も気にせず歩いた。 少し路地を入り段々と町から外れて寂れた場所を藤原には、以前にも訪れた事があるかのように迷いもせず俺を連れて歩く。 様子がおかしいで‥‥藤原の方からあのいつもと違う匂いが漂ってくる。 「なぁ、やっぱ俺帰りたい。‥藤原ん家でも俺ん家でもええから‥‥‥なぁ、帰ろうや。」 「どしたん?泣きそになってンで‥‥直ぐそこやって、貴ちゃん教えてくれたやん。‥」 段々と気分悪ウなってきた。‥‥ 俺何もゆうてへンのに‥‥藤原、どないしたんや。 いつものお前やぁ無い。‥‥ 藤原の右肩が大きく揺らいだ。
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