71人が本棚に入れています
本棚に追加
一度繋がりが出来たせいか、うっすらと視える。二人の話してる内容も頭に流れ込んでくる。
‥一裕さんが貴ちゃん探したでッて、貴史さんを抱き締めた時俺‥自分の事やと思てん。
フジワラが俺を探しに来てくれたンやッて、‥‥
一裕さんが貴ちゃんって呼ぶ度に‥
貴史さんが一裕さんに藤原って呼ぶ度に‥‥俺‥
‥もっと早く俺が来てたら、こんな事にならへんかったんや‥俺が全部悪いねん‥‥絶体に離さへんから俺と一緒にいこや‥‥
‥うん
二人のやり取りを訊いていると、
「悪い奴等やなかったんやな。‥」
「せやな‥貴史、ごめんな 俺‥」
「ン?‥何がや?」
「やって‥貴史が俺の傍で居るッて、思とったのに違ったやん。‥‥浮気になんのかな‥ッて、‥」
その言葉に胸が傷んだが
「アハハ、そんなんとちゃうわ。‥‥俺やって思い込んでたンやろ?じゃ、しゃぁないやん。」
笑い飛ばしてやった。
「せやけど‥」
「じゃぁ、何かしたん?」棘のある言い方で訊いてやる。
「えっ?何かッて、‥‥えぇー!何もしてへん。一緒に居っただけや。」
「一裕がぁ?そんなけで済むんか?」
「やって‥たかちゃんは一裕って呼んでくれへんから‥‥貴史は一裕って呼んでキスしてくれるやん‥‥」
「はっ!‥///‥ハズイ事ゆうなや。」
ニヤニヤと笑う一裕の肩にパンチをいれる。
‥貴史さん、ごめんなさい。ホンマに何もなかった‥‥ただ、たかちゃん‥ッて、呼んで欲しかってん
‥俺からも謝ります。すいません。‥俺が寂しい想いさしてしもたから
「ええよ。嘘かどうかくらいわかってるからな‥」
そう答える俺を一裕が抱き締めて二人に訊ねる。
「お前らこれで成仏出来るんやな。」
その言葉にお互い顔を合わせて、
黙りこむ。
‥あの、まだ‥‥無理みたいです‥
心残りがあって‥‥‥
二人が叱られた子供のように項垂れる。
最初のコメントを投稿しよう!