たかちゃんとフジワラ

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ベッドの上ではフジワラとたかちゃんが幸せそうに抱き合い眠っている。‥手はしっかりと繋いだままで。 ずっとしたかった事。‥ 生きているうちには出来なかった小さな幸せを、今身体を借りて体験している。 ‥幸せそやな。 ‥あぁ、18ってゆうたらまだまだこれからやったやろうにな。 ‥クスッ、手はしっかり握ってんな。まだまだホンマに子供やな。 ‥なぁ、一裕‥朝日も見さしてあげようや‥ ‥せやな。 窓の外はいつしか赤く染まり始めていた。 ソロソロ目を覚ます二人に視線を戻す。 「‥ン、たかちゃん?‥朝日が見えてくるょ‥」 優しく抱き起こし人差し指で髪をかきあげた。 目をこすりながらぼんやりと目を覚ます。 「フジワラ‥おはよう。‥‥綺麗やな、」 「ぅん、夢みたいに綺麗や‥‥」 「‥俺幸せや。フジワラに愛されて‥‥ホンマに幸せなんや。」 フジワラの腕の中で幸せそうに微笑む。 「俺も‥たかちゃんと一晩一緒に過ごせて幸せや‥‥次も一緒に生まれ変わりたいな。‥そしたら、もっと‥‥もっとたかちゃんを幸せにするから‥‥」 「‥ウッ、うん、絶体に一緒やで‥‥もう離さんとってな‥‥」 ベッドの上で強く手を繋いだ。 「貴史さん、身体返します。‥ありがと。」 「一裕さん、ありがとございます。‥朝日まで‥‥」 俺達二人はゆっくり自分の身体に引き戻された。‥ ‥迷惑かけたのにここまでしてもろて、ホンマにありがと。俺達二人、もうはぐれたりせぇへん。 ‥二人一緒に生まれ変わります。次もたかちゃんを‥‥今度こそは幸せにしたい。‥ ‥貴史さん、一裕さん、夢みたいな時間をありがと。幸せになってな。‥‥ 俺達は返事も出来ないまま二人が朝日に消えて逝くのを見送った。 「一裕‥夢みたいやな。」 「せやな。‥」 ベッドの上からすっかり昇った朝日に照らされる。 立ち上がろうとして 「‥ぐっ‥いったぁー!」 「クスッ、腰か?‥」 「あぁ、かなりハードにしたな。‥」 「しゃぁないやんけ、たかちゃんがフジワラに愛された証拠やから‥‥胸元見てみ。」 「‥えっ!何やねん、これは‥」 改めて見て無数の痕に驚く。 「スッゴいな。‥背中にもあんで。‥」 「あいつはぁー!!」 「大丈夫や‥つけたんは俺の身体やから、浮気や無いよ。‥」 そう言って更に1つ多く痕をつけられた。 終り─────
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