想い

2/3
前へ
/384ページ
次へ
仕事終りの地下鉄を降りて雨模様の通りを歩く。 目の前には見覚えのある人影。 「‥よぉ。今終わりか?」 「あぁ。‥お前も?」 二言三言、言葉をかわす。 どちらからでもなく‥‥‥ そう‥‥今、一緒にお前と呑んでる。 さっきからずっと、意味の無い話を続けている。 偶然じゃないねん、    ‥此所でお前と逢うのは‥‥ 約束してた訳やないねん、    ‥此所でお前と逢うのは‥‥    ‥‥必然。‥‥そう、必然。 ただ、『逢いたい』っていう心が引き寄せた時間。 だから、 ‥このまんまお前と離れたない。    って心が叫んでる。 ‥ずっと、ずっと、一緒に居りたい。    って心が叫んでる。 だから、 まだ、此所で意味の無い話を続けててもええよな? 出逢えた事の幸せを噛み締めたまま‥‥ そうやなぁ、出逢ってからずっとお前の強さに惹かれてた。 ずっとお前を追い求めていた。 ‥そう、ずっと、お前に触れたかった。‥     ずっと、お前を‥‥‥ 俺が今、〈好きや〉ってゆうたら? せやなぁ、きっとお前は 〈キッショ!〉って笑い飛ばすンやろな。‥  ‥‥それもええかもな。 だけど‥‥言えんねん‥ 黙ってる間は‥‥ 俺はお前の傍でおんなじ夢を見ていられるんやから‥‥ けど、最近はピンの仕事が増えてくばっかりで‥‥ でも、離れててもおんなじ夢を見ていられるんやから‥   ‥‥幸せかも知れんな。 例え、別々に日々を過ごしてても‥‥ 俺の弱さ‥‥ お前の弱さ‥‥ 全部晒け出す事が出来たらのなら、 お互いの関係が変わって‥‥ もっと、近くに‥‥居れるかな‥‥ クスッ‥‥笑えるな。 そんな事出来るわけないのに‥‥ まだ、青臭い学生やったら?‥‥ あの頃に戻ったとしても‥‥  ‥‥無理な話やな‥‥‥
/384ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加