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‥どうしたらええンやろか。別に泊まってもろても大丈夫やけど‥‥
そうやよな、幾らなんでもこんな時間に、はいサヨナラって‥‥
失礼やよな‥‥
それに俺‥そんなんようせんし‥‥ってゆうか、したくないし‥
しかも、今日1日ずっと迷惑かけっぱなしやのに‥‥
でも‥‥甘えてもええってゆうてたよな‥‥
考え込んでしまった俺の傍にきて即席の味噌汁を置く。
「まっ、食べよや。俺腹減って死にそや。」
「‥ぉん。‥たっ‥貴史。あのな‥」
「エエって、冗談や‥‥食べたら俺帰るし、‥心配せんでも大丈夫やで。」
「ちゃうねん。‥」
「無理せんでもええから‥‥俺は、一裕ともう一度出逢えただけで‥‥その上、一緒に飯食べたり、世話やいたり出来るだけで‥‥嬉しいねん。」
そう言って眼にかかった俺の髪をかきあげる。その髪を同じ様に自分でもう一度触りながら思う。
「‥??‥‥なぁ、もう一度出逢えたって‥どうゆう事なん?」
「フッ、‥‥俺な、‥‥ホンマは一裕を見掛けた事あるねん。」
「‥コンビニでって、ゆうてたよな。」
貴史は、頭を掻きながら話をしようか悩んでいるようだ。
少し間をおいて俺の正面に座り、
「まっ、食べながら話しようか。‥」
「ぉん。‥」
そう言って話始めた。
───────
実は一裕を初めて見掛けたンは半年程前やねん。
まだまだ寒い時やったなぁ。
営業で遅なってコンビニで飯買って公園で食べながら、猫に餌やっててン。
そんなんが割と毎日続いてな、いつも猫に話しててン。
「お前いつも居るな。野良のクセに、あんまし人に懐いたらアカンで‥」
って、言いながらも弁当分けてやったんや。
猫も俺を待ってくれてるみたいにベンチに座るとすりよってきてん。
そうこうしてる内に、むっちゃ遅なった日があってン。
お前は覚えてないやろな。
偶々、猫に話かけてるお前を見掛けてん。
いつも俺がしてる様に語り掛けながら撫でてたな。
月明かりの綺麗な晩やった。
月明かりが木漏れ日の様にきらきらと、そこだけ輝いててな‥‥一裕って色、白いやろ。やから余計に輝いて見えてン。
そやなぁ、なんかな、‥‥一枚の絵を見てるようやった。
お前は猫に
「何や、今日は独りか?‥‥いつものご主人様は今日は来ぇへんのか?‥‥
お前等仲ええなぁ‥羨ましいで。」って尋ねてた。
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