71人が本棚に入れています
本棚に追加
/384ページ
「‥お前は勘違いしてるんや。‥俺にはホンマにお前しか居らへんねん。」
抱き締める腕に力が入る。
「俺が好きなんは、‥お前だけや。‥‥お前は気付いて無いやろうけど、お前の感じる違和感ってゆうンは、
‥‥もう一人のお前の事やねん。‥」
訳のわからないアイツが、
「どうゆう意味や、‥‥俺は俺や!
そんなんで誤魔化すなや!」と、怒鳴り付ける。
「誤魔化してなんかない。‥‥信じてや。
‥‥なぁ、これ見てみ。‥」
俺は以前携帯で撮った写真を見せる。
それはたかちゃんが上目使いで林檎をショリショリと食べている写真。
「‥嘘やろ、これ‥俺?‥いや、俺こんなんお前の前でした事無い筈や。‥‥
コラ画やろ。‥」
「ちゃうちゃう、ホンマにお前や。
‥‥可愛いやろ?‥お前の素直な、一途な、純粋な部分だけの子やねん。
これが、もう一人のお前や。‥
その子な、幼稚園位やねん。‥
俺が落ち込んで、溜め込んだ時に初めて出てきたねん。
まっ、keywordがあるんやけどな‥」
不安そに俺の話を訊いているアイツが、俺の顔を見上げる。その不安を取り除くかの様に俺はアイツの唇にキス落とす。
「‥やから、お前が疑ってる浮気相手は‥‥
‥お前やねん。
その子の話やと、多分お前の中で今もこの会話訊いている筈や。」
「‥う‥嘘やろ、‥俺‥が‥」
余りのショックで身体が震えだしている。
もう一度抱えなおす様に抱き締めて話を続ける。
「‥心配せんでもええ。俺と二人の時にしか出てきてへんから。‥
それにな、‥お前の事を心配してた。
‥お前の気持ちを代弁するかの様に俺に教えてくれた、‥‥お前が泣いてる夜があるって事も、俺への想いも、‥
やから、お前にもいっぱいヨシヨシってしてやって、って‥
だから、その子がなまるでお前の子供の頃みたいに思えて、‥‥愛ぉしくて、‥凄く可愛いいねん。‥
俺に、『好きやよ。』って抱き付いて‥‥
俺に、嫌われたない一心で‥頑張って手伝いなんかして、‥まぁ、失敗したら直ぐ泣くけどさ。‥
‥ホンマに、可愛いいねん。‥」
俺はアイツの目を見つめたままで嘘じゃないと微笑む。
最初のコメントを投稿しよう!