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改めて俺を見て大きくため息をし、
「しっかし、お前‥‥毎回俺に何してンねん。‥」
「なんもしてへんって‥そんな子供に手なんか出されへんって‥
かなり我慢してるンやって。」
焦って弁解する俺に、
「嘘つけ、‥お前が我慢なんか出来るわけないっ、ちゅうねん、‥」と笑う。
「‥‥してるから‥‥、
‥俺‥‥スッげぇ我慢してるから‥‥
嘘とちゃうし‥‥ホンマやもん‥‥‥」
拗ね始めた俺の頭をポンポンっと撫で、
「ハイハイ、わかったから‥落ち込まんと、‥チュッ、
‥まっ、取り敢えず始めよか。」
不意打ちの頬へのキスに照れてしまう。
「///‥え‥ぅん、‥わかった‥‥じゃぁ、確認すんで。」
それから俺達は色々相談して携帯のムービーで軽く要所、要所撮る事にし質問も幾つか決めた。
そしてアイツがトイレに行っている間に隠しカメラを二台内緒で設置した。
多分、アイツの中で話を訊いているはずのたかちゃんがいきなりのムービーで緊張して録れなかった場合の事を考えてだ。
‥ン?何でカメラを二台持ってるかって?‥
やな事訊かんとってや‥‥
そりゃぁ、ねぇ‥‥色々とする時にいつか内緒で‥‥
‥‥録りたいなぁって‥
‥って、そんな事はどうでもええねん。
‥って、俺‥誰に弁解してンねんな‥‥俺の方が二重人格やん‥‥
なんか、妄想が酷くなってきたな‥‥
‥はァ‥‥
「ほなっ、始めよか。」
「ァ‥ん、じゃぁ、‥呼ぶな。」
「‥あァ、しっかり頼むで。」
「ぅん、‥たかちゃん‥‥」
俺が呼ぶと、「ハイ!」と、ニパッと笑い俺に抱き付く。
「ワーイ! かじゅくんやぁ。‥あんなぁ、ぼくなぁはなしきいてたよ。
‥ほんでなぁ、‥うれしかってン。」
首に腕を回して離れようとしない。
「何が嬉しかったン?」
「やってな、ずっといのもとないてたんやで。
かじゅくんが、やさしいンやって。」
「‥ン?何で優しいと泣くン?」
いつもの様に膝に座ったたかちゃんに聞く。
「わからへん。‥‥
なぁ、かじゅくんすきなひとができたン?
もう、たかちゃんもいのもとも‥きらいになったン?
なぁ、かじゅくん。」
涙声で訊ねる。
たかちゃんが泣かない様に慌てて頭を撫でて片手で抱き抱える。
「かずくん、たかちゃんとアイツが大好きやのに‥‥
他の人なんか居らへんよ。」
「ホンマに?!」
「うん、かずくんは嘘つかへんよ。」
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