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俺はたかちゃんにムービーを向けたまま、苺を摘み取るのを見る。
一番に大きな苺を俺の見せる様につき出す。
「きれいやね。‥かじゅくんみてみて、ひかってゆで。」
‥俺にはたかちゃんの方が輝ってンで。‥もう、無防備な感じがムッチャ、ツボやな。
お椀に全部で六個‥大小色々とあるが、取り敢えずは食べ頃みたいだ。
嬉しそに数を数えている。
「ひとぉつ、ふたぁちゅ、みっちゅ、‥‥」
「たかちゃん、洗ってからやないと食べられへんで。」と声をかけると、
「たかちゃんしてもええ?」
「ええよ。好きにして食べぃ。‥アイスもホィップもあるから。」
部屋に入りながらも、俺は大事そにお椀を抱えているたかちゃんを録り続ける。
「ぅうん、いらへん。‥‥あのな、後でアイシュだけたべたい。」
「クスッ、ええよ。」
リビングのテーブルに置いてある手付かずの林檎を見つけて、
「かじゅくん、‥‥うしゃぎさん‥たべてもええ?」
指を指して小首を傾げて俺に訊ねる。
「ええよ。ウサギさんもたかちゃんに、食べて食べてってゆうてんで。」
そうゆうと嬉しそに笑いテーブルにつく。
いつものリスのような食べ方で、ショリショリと上目使いで食べ始める。
‥ウ~ン、やっぱりこれは後で保存しとかなな。‥
毎度の事ながら‥‥可愛ゆいッス。
と、ムービーの画面を見ていると、上目使いで俺を睨んでいるたかちゃんが映る。
「かじゅくんな、ぼくといてもたのしくないの?」
‥へっ? ちょっ、いきなりどうしたン?
「かじゅくん、ぼくのことじぇんじぇんみてくれへんやん。‥‥グシュ、‥わろてもくれへンし‥‥ダッコも‥‥なんでなン?」泣きそな声を出す。
「ちゃうって、‥たかちゃんこれ見てみ。
たかちゃん映ってるやろ?‥
かずくんな、今可愛いいたかちゃんを録ってるねんで。」
とびっきりの笑顔でたかちゃんに今録ったばかりの映像を見せる。
「あー!たかちゃんやァ。‥これたかちゃんやで。
なぁなぁ、かっこええ?なぁ、って」
嬉しそに喜んで俺の服の裾を引っ張る。
「ウ~ン、格好ええ、ってゆうより可愛いいよ。」
「いややぁ。なぁ、かっこええ?」
「そやなぁ、‥じゃぁ、格好ええとこ録ってみよか?」
と、ゆうと「うん!」と返事をしてたかちゃんの為に置いてある刀と水鉄砲をトテトテっと取りに走る。
「慌てたら転けんで‥」
「ハァイ! 」
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