熱帯夜

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アイツは双眸を歪めたまんまで、 「フーン‥‥明日は夕方からやんな。 今日はお前ん家な‥‥」 「えっ、‥いや、‥‥ごめん‥アカン。‥」 更に双眸がきつくなり、 「何でやねん!」 「‥やって‥‥」 「ゆえや、早ょ!!」 「‥あのな、‥‥クーラーが壊れてるねん‥‥ 修理くんの来週やから、‥その‥‥」 恐る恐る答えると、呆れたように 「ハァー? お前は、‥ただの寝不足なんか?」 「ぅん‥‥そう‥‥」 溜め息を漏らし、 「何や、心配して損したな。喧嘩の後からずっと様子がおかしかったから、‥‥俺、てっきり‥‥」 「ン?‥‥てっきり‥何?」 「いや、‥‥また、落ち込んでンかなって、‥」 恥ずかしそに、鼻の頭をかく。 「ハハハ、そうなんや。‥大丈夫やょ。やって‥あれは、俺の‥‥その勘違いやから‥‥ けど‥‥淋しなかったかって、訊かれたら‥‥正直、‥淋しかったけど‥‥」 机に肩肘をついてアイツを見ると、少し嬉しそに口の端で笑い‥‥そして、思わぬ言葉。 「‥まぁ、‥あれや。‥修理が終わるまで、俺ん家‥‥泊まるか?」 「えっ、ええの?」 「あァ、‥このまんまやと身体壊すし、‥ まっ、仕事に差し支えたらアカンし‥ そう‥‥それにここ2、3日は熱帯夜が続くらしいし、 ‥特に暑いンやて‥‥」 照れ臭そに、理由を並びたてる。 「あっ、ありがと。‥泊めてください。」 「クスッ、‥ええよ。その代わり、」 「ン?‥何?」 「飯はお前やで。 ‥‥それと、‥ ‥布団は1つしかないで。‥ ソファか‥‥一緒か‥‥」 恥ずかしそに背中を向けて話す。 「ぅん。一緒でお願いします。」 「///‥わかった。‥‥じゃぁ、着替え用意したら、俺ん家に来いや。」 そうゆうと、ちゃっちゃと先に車で帰っていった。‥ ‥ホンマに照れ屋さんなんやから。一緒に乗せていってくれてもええやんなぁ。‥‥ まぁ、俺も早ょ用意していこ。
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