熱帯夜

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「‥お、お願い‥‥やから‥」 やっと絞り出した言葉も 「ン?‥何やねん。」と、鬱陶しいそにゆわれて 「‥ごめん、‥ンっ‥‥けど、俺‥‥」 「だから、‥何やねん。‥‥ゆうてみィや‥」 怒っているのかと思えば違うようで‥‥少し見える横顔の口の端には悪戯っぽい笑みが浮かんでいる。 「‥ぁの、‥止めん、とってや‥‥ンっ‥」 「クスッ、‥続きして欲しいんか?」 俺の方に向き直って、汗で貼り付いた前髪をゆっくりとなぞる。 俺は半場開いたままの唇を咬む。 「ンっふ‥‥ぅん、‥してや。‥俺、このまんまやと‥‥我慢でけへん。‥‥」 「中々、素直やな。‥‥けど、‥ 俺をその気にさせてくれらなな。‥‥なっ。」 そうゆうて俺の前に立つ。 その意味を理解した俺は‥‥小さく頷きアイツのベルトに手をかけ外す。 ズボンの釦を外そうとした手をやんわりと払いのけられた。 「‥?」 「服‥‥脱げや。‥自分でな。‥」 やんわりと命令され、言われるがまま黙って服を脱ぐが自分だけが裸の状況で‥‥恥ずかしさに全身が紅く、熱くなる。 外したベルトを掴み、「手。‥」と、一言だけゆわれ、素直にアイツの目の前に両手を揃えて差し出す。 アイツは黙ったまま手首にベルトを回し固定する。 「‥‥‥。」 「何や?‥‥不服か?‥‥」 俯いた俺の顔をクィッと上げる‥‥その顔を見たアイツがニカッと笑う。 俺の顔は、恥ずかしさと両手の自由を奪われた束縛感で紅く火照っていた。 「‥クスッ、‥ええ顔してンで。‥お前好きやもんな、ソフトなヤツ。‥」 「‥ンっ‥」 「何、トロンとした顔してンねん。‥早ょ、続きせんか。‥」 ベルトの端を持ち上げ腕を引き揚げられる。 目の前にはアイツのズボン‥‥ 口でファスナーの小さなツマミを咥えるが、手を使えずに上手くいかずにもどかしく‥‥ 身体を捩ってしまう。
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