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月だけが俺達を照らし続けた。
此のまま一緒に進んでいける。‥‥
ホンマにそう思った。‥
悪酔いする訳もなく、ゆっくりとしたペースで二人酒を酌み交わしていると、気付かない間に時間は流れ日付も変わろうとした時、‥‥
傍にあった袋を引き寄せて中から包みを出し俺の目の前に置く。
「何なん?‥」
「‥誕生日おめでと。‥」
「えっ!?」
「今年は俺が一番やな。‥」と、得意気にわらう。
「あ、‥‥ぅん、‥そやな。」
‥ホンマはたかちゃんが一番なんやけどな‥‥
歯切れの悪い返事をした俺を怪訝そに見ていたアイツに
「開けてもええン?‥」
「あぁ。‥」ぶっきらぼうに返事をされた。
「何や、いつにもなくでかいな。」と、笑うと「まぁな。」と答える。
開けてみると、コーヒーメーカー‥‥
形がペンギンに似たやつ‥‥
「ハハハ、何やねんこれ。‥でも欲しかったねん。‥やって便利やし、旨いし。‥」
「せやろ、‥‥なぁ、明日の朝、旨いコーヒーアテにしてんで。‥」と、耳元で囁かれた。
「‥///‥ぅん、ありがと。」
‥明日の朝って事は‥‥‥‥
今夜は一緒にいてくれるんや。‥
はにかんで下を向いた俺に、突拍子もなく‥
「‥俺、子供の頃な、お月さまに兎が住んでるってずっと信じてたんや。‥‥
‥可愛いやろ?‥‥餅つきした餅が雪になってな、降ってくるって‥‥ずっと信じてたんや。‥」
たかちゃんと言ってる頃が一緒なので思わず笑ってしまう。
「クスッ、‥可愛いな‥‥」
「笑うなや。‥」と、口を尖らせてそっぽを向く。
その仕草が思いの外可愛いく俺は頬を緩ませたまま月を見る。
俺の膝に小さな青いリボンのついた小さな包みを置く。
「?‥これは?」
「これもや。‥」
黙って包みを開けると‥‥CHAN LUUの文字‥
「お揃いやで。‥」
「嘘やン。‥‥マジか‥‥」
「あぁ、これやったら変や無いやろ?‥
二人で着けてても。‥‥やって、流行ってるし‥‥」
「ぅん、ありがと。‥」
俺は嬉しくて泣きそになるのを我慢した変な笑顔が浮かんだ。
「ハハハ、何やねん、変な顔して‥‥貸してみ、着けたるから。‥‥よぉ、似合うやん。‥」
「そっかぁ?‥ホンマにかぁ。‥」
お月さまに翳して眺めていてある事を思い出した。
「なぁ、知っとった?‥」
「‥ン?」
「ブレスレットの意味。‥‥」
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