一人暮らし‥‥4

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俺の髪手を差し入れ優しく撫で、 「アホやな‥ホンマにアホやな‥ちゃうやろ‥。俺は離れるなんて一言もゆうてへんやんか。‥なっ。」 クスッと笑い優しい笑顔が浮かぶ。 「‥ホンマに?‥‥あのな俺‥お前の事、もっと知りたいねん。 変な話やけど‥‥今日な‥買い物してて気ィ付いてン。 好きな食べ物とか音楽、全然知らんねん。‥」 「そっかぁ、俺何も話してなかったな。」 すまなさそうに頭を掻く。 「ぅん、‥けど俺、お前の事‥‥‥すっ、‥好きやねん。‥何でかわからんけど‥‥お前の事考えたり、部屋に来てくれたりすんのが‥‥嬉しいねん。‥ごめん。‥」 「何で謝るン?俺、今、ムッチャ嬉しいで。‥やっと一裕の口からその言葉聞けたンやから、‥‥ ずっと待ってたんやで。‥俺も好きや。‥毎回ゆうてるけど‥‥」 ゆっくりと俺を抱き締めてくれた。 いつもよりも、アイツの優しさが心の奥に沁みた。 「なぁ、‥一緒に住んでもええかな?‥ 」 「‥///、ぅん。‥」 「じゃぁ、俺アパートの更新せえへんで。 これからはいつも一緒に居れるな。」 「‥えっ、‥ぅん。」 「毎日旨い飯食えるし、可愛いお前と‥‥ ウッワァー、考えただけで‥‥ 何これ、ムッチャ幸せやんか。」 「ははは、‥大袈裟やなぁ。」 俺は抱き締められたまま、アイツの温もりだけを感じていた。 〈一陽来復〉 一年で一番運気の下がる日。 ‥まぁ、一番最低の日やけど‥これからは上向きになる日。 俺も今日から幸せになる日、‥‥貴史と一緒に。 もう一人暮らしは終わり。 明日からは、二人暮らしの始まり。 なぁ、‥ありがと。俺、お前と出逢えて幸せや。 俺もや。‥やっとお前を抱き締められる。‥ ─終わり。
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