one-side Love

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「おっはよー!!」 バッシン! 朝早いクラブハウスの前でいきなり背中にバッグを投げつけてくる。 振り返らずとも解るアイツ‥‥‥ 「痛いなぁ!止めーや。毎朝、毎朝アホの1つ覚えかよ。」 俺を追い抜いて行く手を伸ばせば届きそうな後ろ姿に怒鳴り付ける。 「アハハ、ボォーっとしてるからや。目、覚めたやろ?」 振り返りニカッと笑う。 「起きとるわ。アホ!」 大声で返すがアイツは知らん顔してサッカー部の部室へと消え、俺は空手部の部室へとスレ違いのように別れる。 毎朝の光景‥‥ 何1つ変わりはない。 あるとすれば、‥‥ ‥何でアンナ奴の事好きになってしもたんやろか。‥ と、ゆう事だけで‥‥ ‥まぁ、アイツの声だけでもドキドキするもんな。‥ と、一人笑う。着替えながらも ‥誰か、冷やかしでも噂でも何でもええから、俺がアイツの事気になってるってゆうてくれへんかな。 そうなったら、踏ん切りもつくんやろか‥ けど‥今の自分には当たって砕けて立ち直るだけの自信もないな‥ グラウンドでは二年になって声をかけてくれて友達になったアイツの姿をみて、言い出せない言葉を飲み込むように唇を噛み締めた。 「オーイ、何してんねん。ランニングに行くで。」 先輩に声をかけられて我にかえる。 折しも、世間はバレンタインデー。‥ 商戦に乗っかってみよかな、って考えは無いことも無いが‥‥ けどなぁ‥‥やっぱ、無理っ。 やってなぁ‥アイツの後ろ姿だけで満足してる俺が居るもんな。‥ 恥ずかしい話、最近ではアイツの顔がまともに見れない。 特に、‥‥アイツが一年生の子と付き合ってるって噂を聞いてからは‥‥ 休み時間はずっと机に突っ伏して寝たふりをするのが最近の俺。 ‥やってね、話してたり巫山戯てたりしてる時にその子がたまにくるから‥‥さ‥‥しゃぁないやんか。‥ 情けなさそな顔見せたないし、‥‥それに、やっぱ‥‥ばれるの怖いしさ‥‥ 近すぎるねん。‥アイツとの仲気不味くなりたないし‥‥ ハァーと大きくため息を洩らすと目の前にアイツの姿。 「なぁ、次の授業サボろぉや。」 「アホか。俺はお前と違って真面目なんやからそんな事出来るか。」 わざと忙しなく次の授業の準備をする。 「話があるねん。‥‥やから、屋上で待ってるから‥」 いつもと違う真剣な声‥‥ ‥何やねんな。 心の中で毒づいてアイツを見ると、そのまま教室を出ていった。
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