one-side Love

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キーンコーン、カーンコーンと、次の授業のチャイムが鳴る。 席に座ったまんまの俺‥‥ 先生が入ってきて授業が始まっても上の空で聞いていた。 ‥何の話やろか。 その事で頭が一杯だった。そして、イライラ、ソワソワとじっとしていられなくなり、 「藤原、トイレでも我慢してんか?」とゆう茶化した先生の言葉に弾かれた様に 「トイレ行ってきます。」と、教室を飛び出した。 頭の中は俺を待って苛付いてだろう井本に対する謝りの言葉を探していた。 バァーン!! 勢いよく扉を開け辺りを見回す。 いつもの場所で昼寝をしているアイツがいた。 傍に寄り顔を見ると爆睡しているようで額にうっすらと汗をかいていた。 ‥そうやよな、コイツが俺の事をじっと待ってる訳がないわな。 自傷気味に笑うと、なんだか今だったら言えそうな気がした。 「諦めようと思たけど‥‥やっぱ無理やわ。」 そう言い出した途端アイツが目を覚ました。 「‥ン?何が無理なん?」 目を擦りながら訊いてくる。 俺は焦りを隠し、 「いや、‥‥やっぱ俺にはサボりは無理‥‥かなって。‥」 「ハハハ、何ゆうてんねん。今、サボってるやんか。」 「そっ‥‥そやな。」 俯きながら頷く。 やはり、顔を見れない。 そんな俺を見て哀しそな表情のアイツが、 「なぁ、‥お前やぁ、何か悩み事でもあるン?それとも、体調でも悪いんか?」 と、訊いてくる。 突然の事に声が上擦る。 「えっ、‥‥何でなん?」 「最近あんま休みも一緒に遊ばへんし、‥休み時間も寝てるやんか。‥‥それに何か、‥俺の事‥‥避けてるみたいやから。‥」 「‥んなアホな事あるわけないやんか。‥‥ ほら、部活で疲れてるから休みは殆ど寝てるし、‥ それに避けてなんかないやん。‥今かって、‥ほら、一緒にサボってるやんか。」 俺は焦りを隠そうと必死だった。 そんな俺に諦めたように、 「‥ええわ、‥‥まぁ、言いたないンやったら。‥」 何故か突き放すようにゆわれて 「いや、ホンマに悩み事なんかないから。‥」 「もうええって!‥ ゆうてるやん。‥ ただ、俺って‥そんなに信用ないんやな‥‥」 「ちょう、まってや!‥俺はそんな事思てない。」 慌てて否定するが、 「‥‥ええって‥俺にはゆえんのやろ。 最近のお前が解らんねん。‥ 今まで一番傍に居ったはずやのに‥‥ 不安やねん。‥‥お前が傍に居らんようになってしまいそうで、‥‥」
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