one-side Love

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来るものは拒まず、去るものは追わず‥‥のアイツが俺の事を心配している。 何の取り柄もない、‥アイツの得にならへん俺の事を‥‥ 俺が離れてしまわへんかって‥‥ ‥アカン、泣けてくるやんか。 「ちゃうねん。‥‥ホンマにちゃうねん。‥ 時がきたら、‥‥話するから、‥今はまだゆえん‥ねん。」 「そんな深刻な事なんか。」 「うんまぁ、俺にとってはな。」 アイツは何故かフッと笑い、 「まぁ、それやったら気長に待つわ。」と、俺の前に缶コーヒーを置く。 ぬるくなったコーヒーを手に取り、 「ありがと。‥でも俺の事よりもっと心配せなアカン相手が居るやろ?」 「ハァー?そんなん居らんで。俺にとってはお前が一番心配やで。」 「ハハハ、変な奴。」 「お前にゆわれとうないわ。」 二人肩を並べて大笑いし空を見上げ黙りこむ。 だけど、‥‥穏やかな時間‥‥ ‥このまんま、時間が止まったら‥‥ そんな静けさを打ち破るかの様にチャイムが鳴り響き校舎全体が騒がしくなる。 暫くして、ドアが開きあの一年生の子がやって来た。 「貴史、捜したやんか。」 「何やねんな、呼び捨てすんなや。‥ホンマにウザいな。」 悪態をつきながらも少し照れた様に思えた。 二人の会話を聞きたくないが為に、早々に立ち上がり階段を下りる。 後ろでは楽しそな笑い声が聞きたくもないに俺に覆い被さってくる。 「なんやねん。‥俺の事思わせぶりに心配やなんてゆうて‥‥大事な子が居るやん。‥‥」 気が滅入ってしまい、授業をうける気にもなれずに早退してしまった。 帰り道、ケーキ屋さんの前にチョコのワゴンがでていた。 何気無く立ち止まり色とりどりのチョコを眺める。 店員が、「どうですか?今は男の子からでも贈ったりしてますよ。」と、笑いかける。 ‥当たって砕けてみよか。そやないと俺‥‥このまんまやとおかしになってしまいそや。‥ アカンかっても、どうせまた一人に戻るだけやしな。 何とはなしに考えて、気が付けばサッカーボール形のチョコとハート形のチョコの詰め合わせを持ち 「これください。‥」 と、ゆうてしもた。‥ 家に帰りする事も無くベットで横になる。 ‥そっかぁ、明日なんや。‥‥バレンタイン。 渡すとしたら、‥‥帰りかな? せやな、あさやと1日中気不味いまんまやもんな。‥‥ もしかしたら、‥‥もう顔も合わされへん様になるかも知れんし。‥
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