one-side Love

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酷く哀しく聞こえて心に突き刺さる。 だから、「‥そっかぁ、‥‥」としか返事が出来なかった。 気不味い雰囲気のまま、アイツは「帰るわ。」と、立ち上がる。 帰り際に「明日は学校大丈夫か?」と、気遣ってくれたのがスゴく嬉しかった。 次の日、俺はいつもより早く学校に行きアイツの机の中に昨日買ったピンクの小袋を入れる。 中には一応、メッセージカード‥‥ ただ、一言‥‥ 〈好きです〉‥‥ って‥書いて入れた。‥ ‥まぁな、告白なんか無理やわ。‥アイツ、好きな奴が居るってゆうてたし。‥ けど、ゴメンから始まる恋って‥‥ 誰かの彼女なんかな。‥‥ ハァー、もうあんまし考えンとこ。‥ 朝練の無い今朝は暇でしょうがない。 それでも、足は部室へと向かう。 いつもの様に後ろから足音が聞こえて来るが‥‥ いつもと違って頬にいきなりの熱い缶。 「あっつぅ!!何すんねん。」 赤くなった頬を擦り振り向くと、いつもの様に笑ったアイツがいた。 「これやる。‥今日は朝練ないんやろ?朝飯付き合ってや。」 「食べてけぇへんかったん?」 「まぁな、‥‥」 二人して屋上に移動する。 ポケットから先程の缶、‥カフェモカを取りだし開ける。 「ドーナツあんで、‥一緒にどうや?」 「貰うな、‥って、何やねんなこれ、甘いのばっかやん。」 「やって、俺好きやもん。」 「まっ、お前の朝飯やからな。」 袋からチョコリングを1つ取り出す。 「なんや、チョコばっかで真っ黒やな。お前と一緒やん。」 「うっさいわ。ほっとけや。」 一口食べようとすると、何故か固唾を飲んで俺の口元を見つめる。 「あんまり見てたら食べられへんやん。‥‥これ、欲しかったン?」 首を横に振る。 一口齧って‥‥ 「まっ、‥まさか、一服盛ったとか‥‥‥」 「アホか、そんな事するか。ボケが。‥」と、いつもより嬉しそな顔をして肩パンチされた。 教室に戻ると皆がソワソワ浮かれていた。 井本はが入れた包みに気が付いた。 そして、それを持って一年生の教室に向かう。 程なくして教室に戻って来るなり俺の前の席に座った。 「なぁ、‥‥誰、‥やと思う。」 そうゆうて俺にメッセージカードを見せる。 「‥しっ、知るわけないやん。」 目の前には俺が書いた〈好きです〉の文字が、‥‥
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