one-side Love

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「腹立つな。こんなんムッチャ困るねん。」 「な‥何で、お前チョコ好きやんか。‥誰か知らんけどありがと、ってゆうてもろとけばええやんか。‥」 声が震えない様に気を付けて話す。 そんな俺を淋しいそに見る。 「俺、今年は誰からも受け取らへんってゆうたやろ。‥‥ホンマに好きな奴からやないと意味ないねん。‥ やからちゃんとことわらなアカンねん。」 フーンと、曖昧な返事をして気にしてないふりをする。 バタバタと足音が聞こえて「貴史、これ。」 一年生の子がアイツに可愛くラッピングした包み‥‥多分、自分でしたのだろう‥‥を渡す。 何もゆわずに受けとり鞄に放り込む。 ‥ハハハ、何ややっぱりそうやんか。 周りの声が遠ざかる。 ‥アホやな、あんなに力説しといて‥‥あの子から受けとったら‥‥ 本命やんか。 ‥あぁ、きっと俺のはごみ箱行きやな。‥ そう思うと頭が痛くなり出欠を取り終えると保健室に逃げ込む。 ベットに横になり、 ‥わかってた事やん。‥アホやな血迷ってしもた。‥ 昨日のアイツがあんまり優し過ぎたから‥‥ ガラガラッ!ドタドタ、‥‥シャァー! いきなりベットのカーテンが開かれる。 「!?‥‥」 「藤原! 大丈夫か?」 「へ?‥」 予想もしなかったアイツの登場に間抜けな声が出る。 「気ぃ付いたらお前居らんし‥調子やっぱり悪いンやろ。 俺、送ったるから早退しぃな。‥」 心から心配しているのがわかる。‥が、それが辛くてつい、きつい事をゆうてしまう。 「うっさいわ!!ほっといてくれや。」 「何で機嫌悪いねん。‥‥朝は違ったやん。‥‥」 「うるさい、‥うるさいねん。‥」 「なぁ、‥‥何で泣いてン?‥やっぱり何かあんやろ?‥‥」 布団を被った俺にキレもせず優しい声で訊いてくる。 「‥なぁ、‥昨日ゆうた事覚えてるか?‥‥ゴメンから始まる恋。」 「‥うん。」 「‥意味わかったか?‥」 「‥わかるわけないやん。‥」 小さい声で「‥そっか、‥」と項垂れる。 気不味い雰囲気が嫌で話を変える。 「お前やっぱりあの子とつきぉてんやな。」 「いいや、つきぉてへん。」 「 嘘つくなや。お前ゆうたやん。‥‥今年は好きな奴からやないとチョコ受け取らへんって、‥‥」 「あぁゆうたよ。‥‥けど、内緒やけどあの子は兄貴の彼女やねん。‥渡してくれって頼まれただけや。‥‥」
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