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その言葉で‥‥
「じゃぁ、‥‥ゴメンの恋の相手はその子なんや。‥‥」
自分の中で考えがまとまってしまった。
‥兄貴の彼女に惚れて、ゴメン‥ってか。
「ちゃうよ、‥‥俺な、今年‥‥自分から好きな奴にチョコ、ってゆうか‥‥まぁ、よく似た物をあげてん。‥‥
美味しそに食べてくれた。‥
俺、その顔を見れただけで充分や。‥‥」
切な気に話すアイツとは裏腹に、「フーン‥‥」と関心の無い振りをした。
‥やって、アイツに好きな奴が‥‥って思っただけで涙が零れそうで‥‥
「ほんでな、‥」
「もう、ええって‥‥お前の恋話なんか聞きとぅない。‥‥」
「最後まで聞ぃてぇな。‥‥あのな、‥多分なんやけど、俺‥‥
ゴメンの恋の相手からチョコ、‥‥
もろた。‥気がする。‥」
「‥よかったやん。」
聞きたくなくて耳を塞ぎたくなる。
アイツは、ポケットから紙切れを差し出す。俺は受けとり恐る恐る手にとる。
‥〈好きです〉‥
たった一言書いた紙。
それは俺が書いた物。‥‥
なけなしの勇気を振り絞って書いた想い。‥‥
「これ、お前の字やろ。‥」
静かにたずねる。
「‥‥‥。」答える事が出来ずに黙りこむ。
「そうなんやろ?」
「ちゃ、‥ちゃうよ。」
焦って首を横にふる俺を、クスッと笑って、
「そうかわかった。‥‥あのな、‥俺のゴメンの恋の相手は‥‥
‥藤原、‥‥‥お前やねん。」
‥嘘やろ‥‥‥‥‥‥‥
声が震えているアイツを見る。
「嘘や!‥‥俺お前からチョコなんかもろてない。」
ゆっくりと俺の傍に座って抱き締める。
「///‥」
「朝、‥カフェモカあげたやん。‥‥そんでチョコリング‥‥」
耳元で囁く。
「‥ぅん、‥食べた、けど、‥」
「その事や。‥」
「じゃぁ、何でゴメンなん?」
切な気に答える。
「男 同士で、‥‥口に出したらアカン想い。‥‥
こんなに近い距離で、‥毎日お前と居って‥‥
ゆうてしもたら全部パァーになってしまう。‥‥
それに、‥変にお前を悩ましてしまう、‥‥やん
‥‥ゴメンな。‥好きになってしもて、‥ゴメン。」
頬を重ねて、
「‥でもな、‥藤原、俺嬉しかってん。‥‥
あのチョコがお前からやと思て、‥‥
そう思たら、‥もう止まられへんねん。‥‥切ないねん。お前の事考えると。‥‥
夜も寝られへんねん。‥‥
俺、‥‥お前が好きや。‥
‥ゴメン、‥ホンマに‥‥ゴメン。‥‥」
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