Keyword‥5  続

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苺を食べてお腹いっぱいになったたかちゃんと録り置きしてある映画を一緒に見るが、欠伸ばかりしている。 「クスクス、‥寝てもええよ。」 「やぁや!」 「大丈夫やから、‥‥そやな、抱っこしてあげるで。 続きはまた、一緒に見たらええやん。」 そう言ってニッコリ笑うと俺に抱きつき「うん!」と、元気よく笑う。 膝の上に座った、たかちゃんの背中をポンポンっとリズム良くたたく。 段々と欠伸ばかりし始めているので横向きにに抱え治し顔を覗く。 たかちゃんは俺の胸に耳をあて指を握りに来る。 ‥‥いつもやな、何で?指を握るンやろか。 「‥か‥じゅ‥‥くん‥‥」 「ン?‥なんや。」 顔を覗きこむと既に寝息をたてていた。 ‥可愛い顔をしてからに。ホンマに、いつもの暴君の影もあらへんな。 長い間穏やかな寝顔を見つめていた。 「たかちゃんはなんも心配せんでええよ。‥‥」 そう囁きおでこにキスして髪を梳く。‥‥けど、此のまま抱き抱えたまま居る訳にもいかず 耳もとで、‥‥「井本?‥起きてや。」と、囁く。 「なんや?‥‥」不機嫌極まりの無い声と口調。 ‥自分が起こせってゆうた癖に と、思いながらも変わらない井本に安堵する。 「何時や。‥」 俺の腕の中にいるくせに態度だけはでかい。その上、嬉しそに俺の胸にスリスリして笑っている。 「‥‥大体ゆうてる事とやってる事のギャップがありすぎやねん。‥‥ホンマに可愛いンやから、‥‥」 「おい!心の声漏れてンで。」 「嘘っ!」 顔の少し紅いあいつが笑う。 俺はいつまでも膝から退くつもりの無いあいつを抱き抱えたまま 「見る?‥」と訊ねると「‥あぁ、‥」と短く答える。 そして俺の顔を見上げて 「‥あのやぁ、‥見る前にちょっと話がしたい。」 「ええよ。‥」 俺の指を握ったまま話始める。 「今回な、俺少し感覚として‥‥その子とらえられたと思うねん。‥」 「‥?‥どうゆう事?」 話の見えない俺に 「何となくな、お前とのやり取りが、‥‥いやな、何を話してるとか何をしてるとかは解らんのやけど、‥ そやなぁ、言葉の 解らへん映画を観てるみたいな、‥‥そんな感じや。」 「フーン。‥じゃあ、少しはその子と繋がりみたいなもん出来たんかな。」
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