幼なじみ

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いつもの様に眠れぬ夜が明けてくる。 淋しいからじゃなくて、切なくて‥‥ かず君に逢いたい。‥ 逢えなくなってから ずっと、 一晩中、想い‥‥一晩中、願った。‥‥ 俺が繁華街でチンピラに絡まれ、羽交い締めにされた時偶々通りかかったかず君に助けられた。 俺が高校一年の頃に引っ越したかず君が。 俺が、ずっと憧れ続けていたかず君が。 俺が、‥‥俺が、‥‥好きと言えなかった、‥‥かず君が。 「縁があったら、‥‥また、逢えるから。‥」 そういって消えてしまった。 なのに、‥今、‥ まさか、ここで逢えるなんて‥‥‥ 「大丈夫か?」そう声をかけてくれた。 ‥昔の様に だから、俺も昔の様に 「‥か‥‥かず君?」 「あぁ、‥貴史。‥‥また、喧嘩して。」 「違うよ。‥その‥‥」 口ごもる俺をクスクスと笑う。 「じゃあな。‥‥」と、俺に背を向ける。 逢いたくて堪らなかったかず君の背中に向かって、‥ 「かず君!‥今、なにしてんの?」 「今、?‥‥ン?家に帰るとこだけど。‥」 「いや、そうじゃなくて、‥‥」 「クスクス、わかってるって、‥ただのサラリーマンだよ。貴史は?」 「俺は一応大学生してる。」 「そっかぁ。‥‥大きくなったなぁ。」 俺は此のまますれ違ってしまうのが嫌で話を続ける。 アイツは、昔の様に少し困ったような顔をした。 「今、暇?」 「まぁね。」「じゃあ、一緒に飯に行こや。‥」 勇気を振り絞った。 声が震えて裏返る。‥‥が、そんな事なんか気にしてられない。 「‥もしかして、俺の奢りか?」 と、笑う。 「違うよ。‥そのお礼とゆうか、‥‥」 「じゃあ‥‥ファミレスでも行こか。‥‥」 「うん!」 それから俺は無理矢理住んでるとこ、携帯の番号を聞き出した。 「一人暮らしなんや。」 「まぁな、‥貴史は?」 「俺も、‥‥」 親の脛かじりか‥と、笑うので、 「バイトしてるし。」とだけ答えた。 それからたまに、食事をしたり、休みの日にはカラオケやゲームセンター行ったりと昔の様に遊んだ。 ある日、公園でキャッチボールすることとなり、俺は待ち合わせの公園に出掛けた。
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