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「ええねんって!‥‥離してや。」
「お前は逢いとぉなかっても俺は、‥‥俺ちゃうからな!」
少し困った様な顔で俺を見る。
「‥なんやねんな、‥‥優しくすんなや。‥
困った顔してるくせに。‥
期待させんなや。
‥‥どうせ、キッショって思てるくせに、ええ格好すんなや。」
‥アホやな、こんなん言いたないのに。
けど‥‥
いっその事、嫌われた方がマシや。‥‥
涙が溢れそうな瞬間、頭をいきなり抱き抱えられた。
「俺はキッショっなんて思てへんよ。‥貴史の事、一度もそんな風に思てへん。
だから、このまんま話聞いてや。‥なっ。」
「‥‥」
「さっきの、‥‥が、その///‥偶然やないんやったら、‥‥俺嬉しいんだけど、‥‥俺も、そのな、‥‥一度もお前の事忘れた事無いんよ。」
「ハッキリゆえや。‥‥全然解らへんやろ!!。」
シドロモドロのかず君に苛立ちをおぼえて怒鳴り付けてしまう。
「ごめんな、‥‥俺一回だけしかよぉゆわんけど、‥‥俺、ずっと前から高校の時から貴史しか見てなかった。
貴史の事好きやねん‥‥‥
やから、もう会わへんってやわんとってや。
なっ。‥‥」
「憐れみなんかいらん。‥かず君優しいからな。
無理せんでええって‥‥雰囲気に流されてンやろ?‥‥」
俺は涙でにじんでいくかず君の顔を見上げて情けなく笑った。
かず君は困った様な眼を細めてクシャクシャの笑顔で俺の頬に手をやる。
「信じてや‥‥‥」
そう言って微かに震える唇が重なる。
「‥?!////‥ンッ、‥‥か‥‥かず君‥‥?」
「信じた?‥」
目の前にはかず君の眩しい位のクシャクシャな笑顔。
俺の心にじわじわと滲みて染まっていく。
「おん、‥信じた。‥信じてる。‥俺、‥ホンマは‥‥離れたないねん。‥」
「俺もや‥‥」
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