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「なぁ、‥‥かず君。‥‥全部ゆうてや、最後まで。
何を考えてンのか、‥何をゆいたいンか。‥
アカンのかな、‥‥いっつも途中で終わって全然解らへんやん。
俺かてもっと‥‥もっと、かず君と話したいんやで。」
真っ直ぐかず君を見据えて話すが俺の方を向いてくれない。
恥ずかしい事だけど俺はかず君の事となるとすぐに泣いてしまう。
想いが強すぎるんや。
俺を助けてくれた‥かず君。
仕事が忙しくても必ず毎日メールをくれる。
俺が「逢いたい。」ってゆうたら逢いに来てくれる。例え、一目だったとしても。
でも、いつも短いメール。
〈大丈夫か?‥〉
それだけ‥‥‥
俺は、かず君が昔と変わらずにいると思ってた。
いつからだろう、‥‥かず君が解らなくなったんは。‥
このまんまやと、‥‥
「かず君、‥‥俺の事ウザいンかな。‥」
心で思ってた事が口に出る。
かず君の顔が哀しそに見えた。
「貴史‥‥」
いきなり腕をきつく掴まれて、携帯を渡される。
「連絡入れぇや。‥」
今日一番はっきりとゆう。
「?‥どこに。」
「約束、‥‥断れや。」
俺の顔も見ずにゆう。
どうゆうつもりか解らない。
「かず君、‥‥?」
「どうせ、遅れてんやろ。‥‥それに、‥そんなに大事な用なんか?
俺はなんも聞いてへん。」
「‥‥」
「いつも‥‥なんにもゆわへんのは‥‥貴史 の方やんか。‥‥
お前の友達なんか俺‥‥全然知らんし、‥‥
お前が何をしてどこに行ったのかも‥‥
俺は何も知らへん。‥‥なんにも‥‥
だから、‥‥」
(アカン、俺何ゆうてんやろ。)
「だから‥‥」
(貴史を束縛しようとしてる。)
「だから‥俺‥‥ 」
(アカン、‥‥アカンねん。)
これ以上何も言えなくなり口をつぐみ下をむく。
「かず君、‥俺の携帯からかけるし。」
自分のを取りだそうとすると、
「俺のからかけろや。」
(こんな言い方したないのに、‥抑えられへん。)
俺はかず君の顔を見上げて気付いた。
怒っているのか耳まで真っ赤になっている。
「かず君、‥?」
「悪い。‥‥ 痛かったよな。‥ごめん。
‥‥その、勝手な事ばっかゆうて悪かった。‥
忘れてや。‥‥」
またいつもの困惑した顔に戻っている。
「‥せやな、‥かず君、携帯借りるな。」
俺は、約束を断るため電話をかける。
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