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いつの間にか出ていた月を眺めながら‥‥既にビールから焼酎に変わった酒を酌み交わす。
何も話さず、酒を注ぎ合う。
ふと、目が合い穏やかに微笑まれる。
「なぁ‥今夜はえらい優しいンとちゃうん
?」
先ほどの事といい、胸の奥がくすぐったい‥‥のに‥‥違和感‥‥
「‥うん‥?そうか?」
照れくさそうに笑う。
「マッしゃぁないやン‥手紙にも書いてあったし‥」
キョトンとする俺を後目に
「アイツには関わりたないねん!‥」って厭そに言う顔は、反対に嬉しそだ。
軋んだ心が表情に出る。
「またそんな顔して‥ホンマにアイツとはナンもあ
らへんわ‥お前かって紹介すらせんかっ
たやん」
クシャックシャとまた撫でられる。
「でもな‥アイツのおかげで気付いた事が仰山有りすぎて‥‥頭が揚がらへん」
苦虫を噛み潰したような顔をしながらも、やっばり瞳は楽しそうだ。
「‥どういう事なん?」
「まぁ‥今度ゆっくりと‥なっ?」
「‥お‥おん‥」
ふに落ちないながらも、ニカッと微笑まれると何も言えなくなる。
うつ向いていると耳元で
「やから‥今夜は書いてある通りや!‥ええな」
‥‥可愛いがったてな‥‥
終り‥
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