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「手‥ケガしてへんか?」
いつの間にか戻ってきた藤原が立っている。逆光なのに、輝くように白い。
ケガをしてないのを確認すると
「あーもう割れた瓶は893さんには凶器
やでぇ」
冗談混じりに砕けた欠片をひらい始める。
「アハハハ‥ナンやそれ」
笑いながら井本もしゃがんで、ひらい始める。
(案外、ご機嫌さんやね‥)
片手に大事そにビー玉を持ったままの井本の姿を盗み見る。
‥ンウフフ‥堪えてた笑みがこぼれる。
眉間に皺を寄せて
「キッショイ!!‥何っやねん!」
「いやなぁ~すっげぇー欲しかったンや
なぁ~って思て‥」
「…」
先ほどの想いが見透かされた気がした。
恥ずかしいような‥罪悪感‥
気付いている訳でもないのに
(俺‥変な事ゆうた?何で黙り込むねん?)
テーブルを見ると1本のラムネ
「なぁ、そんなに欲しかったンか?
俺‥あげンで?」
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