瓶ラムネー③

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「え"!!」 目をまん丸にして叫ぶ。が、直ぐにバツの悪い顔をしてうつ向く。 「何で?欲しかったンやろ?」 「‥ちゃうわ‥いらん‥」また、黙り込む。 「ビー玉ぐらいあげるやん‥そんな大事そ  に持って‥」 自分の手を見ると、 「アッ‥ビー玉なぁ、そやね‥」 (はぁ~バレてしもたかと思たわ‥) アハハハ、ナンやおかしいわ 「何やねんな‥いきなり笑い出して‥」 不思議そにクシャクシャッと笑う。 (あ~俺の好きな笑顔やぁ‥) 「ありがとな‥せやけど別にビー玉が欲し  かったンとちゃうから‥」 「瓶まで割っといてよぉゆうわ‥しかも嬉  しそに持って!!」 (アハハハ‥ホンマにそやな‥俺らしないわ) 藤原の目の前でビー玉をお日さんに翳し 「ほらっ、綺麗やろ?」 ニカッと歯を見せて笑う。 「お‥おんっ!綺麗や‥」 ビー玉を二人で眺めて 「ホンマに欲しいもんはひとつや‥やから‥  」 瞳をビー玉から逸らさずに小さい声で 「‥一個だけでええねん‥」 「‥そっかぁ‥俺もラムネもろとこかな‥  」 大事そに鞄にラムネ瓶を入れた。 ④へ
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