71人が本棚に入れています
本棚に追加
「え"!!」
目をまん丸にして叫ぶ。が、直ぐにバツの悪い顔をしてうつ向く。
「何で?欲しかったンやろ?」
「‥ちゃうわ‥いらん‥」また、黙り込む。
「ビー玉ぐらいあげるやん‥そんな大事そ
に持って‥」
自分の手を見ると、
「アッ‥ビー玉なぁ、そやね‥」
(はぁ~バレてしもたかと思たわ‥)
アハハハ、ナンやおかしいわ
「何やねんな‥いきなり笑い出して‥」
不思議そにクシャクシャッと笑う。
(あ~俺の好きな笑顔やぁ‥)
「ありがとな‥せやけど別にビー玉が欲し
かったンとちゃうから‥」
「瓶まで割っといてよぉゆうわ‥しかも嬉
しそに持って!!」
(アハハハ‥ホンマにそやな‥俺らしないわ)
藤原の目の前でビー玉をお日さんに翳し
「ほらっ、綺麗やろ?」
ニカッと歯を見せて笑う。
「お‥おんっ!綺麗や‥」
ビー玉を二人で眺めて
「ホンマに欲しいもんはひとつや‥やから‥
」
瞳をビー玉から逸らさずに小さい声で
「‥一個だけでええねん‥」
「‥そっかぁ‥俺もラムネもろとこかな‥
」
大事そに鞄にラムネ瓶を入れた。
④へ
最初のコメントを投稿しよう!