美術の時間

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キ-ンコーン~カーンコーン~ 昼休みの終りを告げるチャイムが鳴った。 みんなは次の授業の美術室へ向かう。 俺ものそのそとイスから立ち上がりかけた。いきなり後ろから‥ 「藤原~次サボりやからウマイことゆうとって~」 「はぁ~前もやったやン、アカンて‥」 この間の買い食いから仲が良くなったのはいいが、 ‥こんなんばっかや 「選択科目やから出たら点もらえるやン」 「かったるいねん!!」 「‥大きい声だすなゃ‥行こや‥」 キ-ンコーン~カーンコーン~ 授業の始まりを報せる。 いきなり、走り出す。 「後は頼んだからなぁ~」 「あっ!ちょっ‥待てや!」 行ってしもた。はぁ~ナンやねんな‥ 仕方なく教室に向かうが、案の(遅刻) ‥最悪やン! 先生がこちらを振り返って。 「今日はお互いの顔を描いてもらいます。  二人組になって~」 ザワザワとみんな組んでいく。 「場所は何処で描いてもええよ。ただし、  未提出は赤点やぞ。はいっ!各自散って  描く!」   ‥ほらなぁ‥俺1人やんかぁ 「藤原は1人か?」 ワザワザ聞かんとって‥ 黙ったまま頷く。 「井本はサボりか?仕方ない。井本連れて  こい。アイツも提出せな赤点やぞ」 「せっ‥先生ソンなんムリやわ」 大きく首を横に振ったが、聞いてもらえず。 「早よいかな、時間ないよ。」 「先生ー!横暴やわ~!」 「最悪スケッチブック持ってってお互いの顔描い  て放課後までに提出!ええなぁ~」 泣く泣く俺は、探しにいく羽目になる。 何やねん‥俺、アイツのお守りとちゃうで 大体の見当はついていた。多分、屋上に居るのだろう。
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