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放課後までに提出を済まし、授業も終り部室で着替えていると‥
ピンポンパンポーン~
「2年*組、井本君、藤原君、至急美術準
備室まで。」
呼び出しが鳴り響いた。
慌てて美術準備室まで向かうと、前を井本が急きも慌てもせず歩いていた。
「おぉ~余裕ですやン。流石に呼び出し慣
れてんな」
肩を並べて歩く。
「嫌味か!」
器用に歩きながらケリを入れる。
何故かそれが嬉しくてにやけてしまう。
「キッショ~!」
‥ヤッパ口悪い~さっきまでこの腕の中に居
ったのに‥
アレは俺の妄想なン?
シュンとなって遅れて歩く俺を振り返って
「早よ~いくでぇ。」
人差し指を立て唇をなぞって、チュッと音をたてる。
‥エロいですやン‥
顔が真っ赤になって、思わず
(好ッきやー!)叫びそになるのをグッと堪えて、小走りで近づく。
眉間に皺を寄せて、
「オカマかぁー!」って笑われた。
‥ひどっ、人の気持ち持て遊びヤガって
黙っていると、
「空手着やと、前がはだけてエロ~」
「‥エッ‥嘘やン」
慌てて前を直す。
トイレの前を通り掛かって、不意に腕を掴まれ中に押しやられる。
「えっ? な‥何 どうしたん?」
「なぁ‥いっつもそんなに前を開けてンの?
‥ソレとも誘ってんのか?」
少し怒ったように壁際に押しやられる。
「ンッ? な‥何で? 動いたらなるねん」
耳からうなじ、鎖骨へとゆっくりとなぞられる。
こそばいような、ジッと出来ない変な感覚が背中を走る。
「‥ヤッパ、天然かい‥」
そう言って、廊下に出ていかれそうになったので、
「ちょ‥待ってや!どういう意味なん?
俺、ナンかした?」
「いや‥ナンもしてへん、けどな!‥‥
いやナンもない。かまへんわ。‥行くで」
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