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コンコンッ‥ガラガラ~
「「失礼します。」」
声を合わせて中に入ると、いきなり先生が怒鳴り散らした。
「お前ら二人共!!」
「「えーー! 何でなん!?」」
ちゃんと描いたやんなぁ~と、顔を見合わす。
ほなっこれ見てみと、スケッチブックを差し出す。
1冊目‥井本の作品。
真っ白のなかに、髪型、眉、黒目のみ
「日差しが強くてな、光が乱反射しててん
色が白すぎンねん。」
2冊目‥藤原の作品。
真っ黒のなかに、白目、前歯のみ
「日陰に居るんやもん、黒すぎて見えへン
ねん。」
二人顔を合わせて、
「「よぅ描けてるやんなぁ~」」
「ふざけすぎ!、落語やあるまいし‥」
先生が頭を抱えて怒りを鎮めようとしている。
はぁ‥と、大きく溜め息をつき
「頼むから、まともなのを描いてこい。
来週の月曜日までや‥」そう言ってスケッチブックを渡された。
「でも先生~誰が見たって誰を描いてるか
一目でわかんでぇ~」
「井本‥屁理屈ゆうなー!ええかっ!
再提出やー!解ったな。以上」
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