第三章

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部屋の中では 機械的な謝罪と泣き声 番組はいつの間にか 変わっており、 真面目に見ていたら 涙を流してしまうような そんな、ドラマが流れていた。 「主人ってお前、」 《ずっと貴方の側に居たかった…》 「一生、貴方は 僕を飼い慣らす責任がある」 《どうして貴方は 今、息をしていないの?》 「そんなの」 現代社会では有り得ないと、 そう言いたかった。 「今までこの台詞を 何度も聞かされて来た。」 《どうして…》 TV中の女の白々しい言葉 虚実と真実が、入り交じる。 「主人には絶対服従だと」 『必要な言葉以外知らない。』 その言葉は、酷く重たかった。
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