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あれから数回程の通話を重ねる内に、少しずつ余裕が持てる様になった 敬語も使わなくても大丈夫な様になったよ、と言うと蒼はふふふと笑った それが嬉しくて 頑張ろうと思える しかし時には彼が昔愛した人の話を聞いて電話の後に布団を抱え悶えながら眠った夜もあった その度に自分の不完全さを憎んだ また、ならばもっと自分に磨きを掛けるぞ!という前向きな気分にもなった 彼が好きな料理を練習してみたりもした。彼が勧めてくれた本を読んでみたりもした。 その度に胸が甘く苦しくなるばかりだった
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