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「なぁ俺らガキの頃、このゲーム買った奴いたよな?」
俺は雑誌の開かれたページを指さし、虎一に尋ねた。
「あぁ金持ちの息子の大輔だろ!」
俺と虎一は子供の頃からいつも一緒にいたので、すぐに話を理解し、答を返してくる。
「あいつ病気か何かで入院しなかったっけ?」
「たしか謎の病気で意識不明になり、今でも意識が戻らず入院してるはずだけど……」
虎一は答えた後、開かれた雑誌に目をやる。
「俺、この雑誌読んで思ったんだけど、大輔はこのゲームのせいで意識不明になったんじゃないかなぁ……」
虎一は向きを変え、視線を窓の外に向けた。
ゲームで意識不明になるって……
まさかそんな漫画みたいな事ある訳ない。
雑誌には呪われしゲームなんて書いてあるが、ゲームをプレイして意識不明になるなんてバカげた話だ。
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