龍と虎一

14/14
前へ
/292ページ
次へ
ハァハァハァ…… 俺は虎一の家を出て、家路に向かっている。 何で息が荒いのかというと、走っているからだ。 さっき虎一に借りた写真集を大事そうに持ち、家に向かって急ぐ。 えっ!?なぜ急いでいるかって? それは米倉リンの写真集を早く見たいからに決まってるじゃんか(笑) 虎一の家は、俺と同じみなとみらい地区にあり、ゆっくり歩いて10分程の距離だ。 でもその10分が、今の俺には長く感じ、少しでも早く帰る為に走っているって訳。 そんなこんな言っている間に、自宅があるマンション前に到着した。 マンションの中に入る前、入口にあるポストを覗き込む。 中には数枚のチラシと小さな紙袋が入っていた。 「ん!?何だコレ?」 紙袋を手に取り見てみると、俺の名前が書いてあった。 どうやら俺に送られてきた物らしいが、差出人の名前が書いてない。 誰からだろ? てか、こういう物って、普通ポストじゃなく家に届けるんじゃないのか? まぁ今はそんな事を考えている場合じゃないので、紙袋とチラシを持ってエレベーターに乗り込んだ。
/292ページ

最初のコメントを投稿しよう!

654人が本棚に入れています
本棚に追加