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あらためて、見るとその子は女の子だった。
綺麗な金髪に青空の様に蒼い目。
黒のシャツと黒のミニスカートを履いている。
泣き顔だった彼女の顔は今は笑顔に変わっていて、胸がキュンってなった。
この子を泣かしたくい・・・
初めて誰かを守りたいと思った・・・
この気持ちはなんなんだろう?
「ねぇ?聞いてる?」
「ご、ごめん!!今日の晩御飯が気になって!」
「私とご飯どっちが好「ご飯」
「・・・」
ご飯と即答した瞬間、その子の顔が鬼の様な顔に変わった。
黒いオーラの様なものを出しながら、近づいてくる。
「き、ききき、君にはええええ、笑顔が似合うと思うよ?」
「・・・」
「あ、あれ?何で手に棒なんか持ってるのかな?」
「・・・」
「ちょ、何か言ってよ」
「・・・にこっ」
「お、おかあさーーん!!」
その日僕は女の子をなるべく怒らせない様にしようと誓った。
「そういえば、君の名前は?」
僕の名前?
「僕の名前は、肉」
「・・・本当の名前は?」
「ホットドック」
「・・・またやられたい?」
「濱田雅己(はまだ まさみ)と言います。雅己と呼んでくださいませ」
「初めから言ってよ・・・」
そう言い何処からか出した、バットを投げ捨てた。
お~お。
怖。
「私の名前は、龍双寺麗華(りゅうそうじ れいか)。
麗華でいいよ」
龍双寺?
どっかで聞いたことが・・・
ま、いっか。
「じゃあ、麗華。何して遊ぶ?」
麗華はしばらく悩んだ後、閃いたのか、指をパチンと鳴らした。
「そうだ、私鬼ごっこがしたい!!」
「じゃあ、僕はボール遊びがやりたいから、一人で・・・なんて言うと思った?僕も鬼ごっこがしたい」
またもや、麗華が何処からかバットを・・・
僕が途中で言い変えるとバットをまた投げた。
「じゃ、私が鬼ね!よ~い、スタート!!」
「早!?」
いきなり、鬼宣言の後走って追いかけてくる。
「追いつけるもんなら、追いついて・・・えええええぇぇ!!」
「きゃはははは!!」
僕は麗華の方を振り向いてからは、死に物狂いで走った・・・
バットを振り回して笑う鬼から、逃げる為に・・・
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