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楽しい時は、時間が早く進む。
気づいたら、もう夕方になっていた。
「もうそろそろ、帰らなきゃね・・・」
僕がそう切り出したら、麗華は悲しそうにした。
「ねぇ・・・明日も遊んじゃダメかな?」
麗華は指を絡ませ、もじもじと聞いてくる。
「うん!明日も遊ぼう!!」
僕の言葉を聞き、麗華の顔がパァと明るくなった。
「残念だが・・・明日からはおじさんと一緒に遊ぶんだ・・・」
「「!?」」
後ろを見ると、全身オレンジの服を着ているおじさんがいた。
「その子は世界でも名高い金持ちの龍双寺の娘だ・・・その娘の近くに居ることはとてもあぶないぞぉ・・・ぐひっ」
何だこいつは・・・
このおじさんの言葉を聞いていると、僕の中で何か溢れ出てくる・・・
この感情は・・・
憎悪か・・・?
「・・・・!・・・だ!き・・・さ・・・まが!!い・・・!」
オレンジ野郎が何かを喋っているが、俺には聞こえない・・・。
「なら・・・俺が世界より強くなればいい・・・」
自然と口が動いて、喋っていた。
「雅己?」
「げはははは!お前が、世界より強くだと!!笑わせるな!!金も持ってない若造が!!」
「黙れ・・・」
だんだんと目の前が暗くなっていく・・・
「ふっーふっー」
呼吸が荒くなっていく。
頭が割れそうに痛い・・・
「貴様はゴミだ・・・永遠に孤独で暮らしてろ・・・」
そこで俺の意識は途絶えた。
麗華視点
私は今ありえない状況を見ている。
さっき知り合った男の子が、
大の大人に飛び掛かり、大人を一方的に殴っている。
「HAHAHAHA!!」
人を殴る事に喜びを感じているのか、彼は笑いながら殴る。
「がはっ!も、もうやめてくれ・・・」
大人はいきなり性格が変わった彼を恐れもう、初めの様な悪い雰囲気はない。
「さて・・・どうするか?やっぱり、目でも潰すか・・・いや、玉を潰す方がいいな・・・」
そう呟くと彼は、大人の股を目掛け足を振り降ろした。
グシャ
嫌な音がなり、大人は泡を吹いて気絶した。
「次は・・・耳」
けど、彼は止まらない・・・
もう、嫌だ・・・
こんなの見たくない・・・
「もう・・・やめてよ・・・
雅己・・・元に戻ってよ・・・」
「!?ぼ、僕は一体は何を・・・」
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