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「式の邪魔はしねぇし、なるべく目立たねぇ様に気を付けるから!」
『…ったく…しょうがねぇ奴だな…携帯だけは忘れんなよ?』
「おう!」
八重歯が覗く程の満面の笑みは久々で、近頃は照れ隠しのハニカミ笑いばかりだったと気がつく。
俺のせいで遅れているハズの打ち合わせへと急ぎドアへ向かおうとすると、
―――イッテラッシャイ…
と、小さな声。
引き帰り、くすぐったがる首筋にキスを強く残して囁いた。
『行ってくる、後でな…藍。』
だが、この瞬間から俺の“大人な聞き分けの我慢”が強いられる事になろうとは……。
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